「奇跡の出会い 被爆バイオリン×ホロコーストバイオリン」コンサートを聴く

Classic
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samon
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8月8日(土)浦上天主堂前から4列目で聴く

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結論

古今の名曲を様々な形態で聴かせてくれる贅沢なコンサート。マイク使用だけが残念。

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概要

被爆地・長崎から世界へ、音楽通して平和への祈りを届けたい-その願いから本公演は生まれました。広島の被爆ヴァイオリンとホロコーストのホープ・ヴァイオリンという、戦争の悲劇を今に伝える二つの歴史的な楽器が、多くの音楽家の祈りとともに浦上の地で響き合います。この演奏が、命の尊さと平和のかけがえのなさを改めて心に刻み、未来への希望を紡ぐひとときとなることを心より願っております。

プログラムより

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感想

被爆バイオリンとホロコーストバイオリンのデュオでコンサートのスタートです。曲はカタルーニャ民謡「鳥の歌」カザルスの演奏のような冒頭の上行系の音階がなく、ちょっとらしさがなかった編曲でした。とてもきれいな音色でしたが、決定的にまずいのはマイクによるPAの音であったことです。

たしかに浦上天主堂は音楽ホールではなく、反響板など音響設備はないのはわかるのですが、とても残念です。カラヤンはベルリンのキリスト教会でよく録音を行いました。教会の音響は音楽ホールではなくても残響を有する優良なものではないのでしょうか。PAの音と生の音は全然違います。

続くホロコーストバイオリンによるヴィターリの「シャコンヌ」も熱演だったので生で聴きたかったですね。ピアノとコントラバスが加わりましたが、ピアノは電子ピアノでこれはPA通すしかないですが、コントラバスはマイクがかなり離してあり、生音に一番近かったでしょうか。でもよく聴こえました。

バッハの「羊は安らかに草を食み」はピアノ独奏。「狩りのカンタータ」のアリアですがピアノ編曲版。このメロディはよく知っています。NHK-FMの朝のクラシック番組のテーマソングに使われていました。穏やかな気持ちになる名旋律。バッハは希代のメロディメーカーです。

長崎少年少女合唱団はとても美しい声でしたが、人数が少なくて残念でした。男の子もいなかったようでした。みんなサッカーとかにいっちゃうんでしょうか。児童合唱の歌声は限りなくピュアで心が洗われるようです。

長崎シティオペラ合唱団は男声合唱の仲間たちがたくさん参加するグループです。長崎では誰もが知っている大島ミチルの「千羽鶴」と東啓史の「天使」を歌いました。東氏は長崎の作曲家の方で、会場にもいらっしゃっていて「天使」の解説をしてくれました。まさに天から降ってきた旋律らしいです。聞きやすい美しいメロディでした。

知り合いのソプラノ歌手原さとみ率いる長崎居留地男声合唱団と長崎居留地女声合唱団オルテンシアによるプッチーニの「キリエ」「グロリア」は圧倒的な合唱力を聴かせてくれました。人数の力は感動の大きさにつながっていくと実感させてくれました。

居留地の二つの合唱団というスタイルは興味深いですね。それぞれでも歌えるし今回のように合同すると混声合唱団にもなる。さまざまな曲を歌える効率的なスタイルとも言えます。若い方もたくさんいるのもうらやましいかぎりです。若きエネルギーは合唱の魅力を増します。

休憩をはさんで、珍しいコントラバスソロで後半スタート。どこかで聞いた旋律と思ったら、タイタニック号で最後まで演奏を続けた弦楽四重奏団が演奏していた曲らしい。映画「タイタニック」でそれは演奏されておりそれを記憶していたのでしょう。朴訥なベースソロはなかなか染みます。

続いて3人のソプラノ歌手が異なる「アヴェ・マリア」を歌いました。「伴奏は安部まりあさんです」のアナウンスに会場から笑いが。安部まりあさんは若い方で既婚かどうかわかりませんが、ご結婚されても改姓するわけにはいきませんねえ。結婚しても旧姓のままで活躍する女性は多いですね。

3つの「アヴェ・マリア」は1「バッハ/グノー」2「マスカーニ」3「シューベルト」です。マスカーニはオペラ「カヴァレリア・ルスティカーナ」の有名な間奏曲に歌詞をつけたもの。

グノーを歌った藤井泰子氏はイタリアで研鑽を積み認められたオペラ歌手。「CITIZENs~戦わないという選択」という短編映画に出演する女優さんでもあります。確かに彼女には華があります。そのオーラはびんびん伝わります。歌にはイタリアンな癖を感じました。

マスカーニを歌った原さとみ氏は藤井氏と対照的で、清楚でナチュラルな日本女性の雰囲気がただよいます。歌っているのはイタリアのオペラの旋律というのがおもしろいですが、「カヴァレリア」のどろどろドラマ感はすっかり抜けて衣装同様の「白」のイメージの歌声がとてもすばらしかったです。

シューベルトの村岡恵理子氏は長崎で活躍するソプラノ歌手です。前のお二人のどちらとも異なる魅力をおもちの方です。透明感のある声でありながら訴えてくる表現は力強く、私は大好きな歌手です。

ミュージカルのヒットメイカー、アンドリュー・ロイド・ウェバーの「ピエ・イエス」は大好きな曲です。二つのバイオリンにピアノ、コントラバス、さらに居留地男女の合唱団をバックに、藤井・原のソプラノが忘れがたい名旋律を歌っていきます。タイプの異なる二人ですが、そこはそれプロ歌手です。寄り添いあい美しいハーモニーを聴かせてくれました。

エンニオ・モリコーネの「ネッラ・ファンタジア」は有名な「ガブリエルのオーボエ」に歌詞をつけたもの。たぶんイタリア語の歌詞は、イタリアで活躍する藤井のソプラノにはぴったりはまって圧巻の歌を聴かせました。バックは「ピエ・イエス」の合唱団がシティオペラのチームに交代で、曲を盛り上げてくれました。

エンディングは「長崎の鐘」を出演者全員が登場し、会場の観客も一緒に歌ってこの演奏会の幕を閉じました。教会でのコンサートらしくキリスト教に関する曲が多かったのですが、どれもすばらしい名曲でしたので、十分に楽しむことができました。

ただ私の席の近くで扇風機のファンのような音がしていて、不快でした。たぶん空調服を着た人がいたのではないかと思います。手持ちの扇風機で涼んでいるような人はいませんでしたから。

samon
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二つのバイオリンにスポットが当たるのではなく、様々な演奏者が登場して多くの名曲を演奏してくれて満足度の高い演奏会でした。音楽が楽しめるのはすなわち平和である証拠。そんな世が続いてほしいと願います。しかし世界はどうもきな臭いですが。

コメント

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