ジェフリー・ディーヴァー著「魔の山」 動の主人公コルター・ショウシリーズ第2弾 カルト教団に潜入調査 苦しみを利用した卑劣な教祖に鉄槌

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samon
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ハードカバー380ページの大作。ところがどんどんページが進む。おもしろさ故!

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結論

カルト教団内での展開は、若干単調大味なれどページは止まらない。終章の兄と父の謎がぐんと進展して、次作を待ち焦がれてしまいます。

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概要・あらすじ

姿を消した人間を追跡するエキスパート、コルター・ショウ。 失踪人や逃亡犯に懸賞金がかかれば、彼が必ず探し出す。 なぜ若者は命を絶ったのか? その謎を追い、コルター・ショウは山中のカルト村に潜入する。 ドンデン返しの魔術師ディーヴァーの新シリーズ、白熱の新展開。 ショウは教会を襲撃して逃走した若者二人組を追跡していた。難なく居場所を割り出して二人を見つけ出したショウだったが、 その眼前で一人が崖から身を投げて死亡してしまった。教会襲撃は冤罪で、いずれ疑いは晴れるはずだったのに—— 自殺した若者は〈オシリス財団〉なるカルトグループの研修を受けていたという。彼は洗脳されたのではないか。調査を始めたショウは、 同カルトに関する記事を発表した記者が殺害されていたことを知る。〈オシリス財団〉が死の原因ならば、これ以上の犠牲を 阻止せねばならない。ショウは身分を隠し、ワシントン州の山中にあるカルト施設への潜入調査を決意した。指導者イーライのもと、 屈強な男たちが目を光らせるカルト村。ここで何が行なわれているのか。若者はなぜ自ら命を絶ったのか。この村に隠された真の目的とは? 武器なし。外部からの援軍なし。24時間の監視下で、ショウの孤独な戦いがはじまる。「静」の名探偵リンカーン・ライムに続いて 名手ディーヴァーが生み出した「動」の名探偵コルター・ショウ第二作。緊迫度、孤立無援度100%の傑作誕生。

google booksより引用

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感想

シリーズ第1作で「ゲーム業界」を描きつつ、父や兄の謎を展開したディーヴァーですが、本作では「カルト教団」の内部侵入の物語を紡ぎます。

前作でシリコンバレーの様々な場所を駆け回るコルター・ショウでしたが、今回は山中のカルトの拠点という限られた世界で活躍します。ゆえにか、物語は単調で大味になった感も否めません。

カルト幹部との面談の場面で、潜入を見抜かれることを恐れたショウは、自身の心配悩みである兄のことを話すことによって、幹部の信を得ることに成功します。卓越した洞察力をもつ幹部に驚きます。

しかしこの幹部は教祖「イーライ」を真に信じた、そんな人物だったのです。能力ある人間ですら洗脳してしまうイーライとそのシステムは恐怖です。

苦しみを抱え藁にもすがる思いで集まった様々な人々。ディーヴァーは彼らを鮮やかに描き分けます。眼前に浮かぶような表現であり、それも大きな魅力です。

様々な人々の中で特に印象的なのが、容赦のない武闘派の「ヒュー」でしょう。潜入した記者を痛めつけるサディストっぷりが、イーライとはタイプの違うヴィラン役を決定づけます。

入会段階で、美しく若い女性を選別するこのカルトでは、美女が多く登場します。

白眉は最強の戦士に変貌するヴィクトリアでしょう。実に魅力的です。3作目以降も物語に絡んでくるといいなあと思います。

1作目から継続している、ショウの父・兄の謎は本作の最終章でぐんと進展します。ショウは父の残した資料を発見。恐怖の女殺し屋もショウの前に姿を見せてきます。

コルター・ショウシリーズ第3作「ファイナル・ツイスト」第4作「ハンティング・タイム」もすでに刊行済み。「ハンティング・タイム」ではディーヴァー作品史上最多のどんでん返しが帯を飾っています。これまた楽しみです。

samon
samon

コルター・ショウの胸がすくような活躍が楽しめる本作。ページが止まりませんよ。ぜひお読みください。

コメント

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