
2年ぶりの長崎公演。土曜2時から4時半まで名人芸に酔う
結論
古典2席の名人芸に酔う。志の輔の噺を新しいホールで聴きたい
概要
当代随一の人気と実力を誇る落語家、立川志の輔。志の輔の独演会が再び長崎で!古典から新作を問わず落語に新しい息吹を吹き込む志の輔らくごを心ゆくまで御堪能ください。
主催TV局の宣伝文句。今回は2本とも古典でした。
日本の落語家、タレント、司会者。本名:竹内 照雄。富山県新湊市出身。一般社団法人落語立川流代表。オフィスほたるいか所属。出囃子は『梅は咲いたか』。血液型はA型。
wikiより引用
感想
前座の後1席目は「たけのこ」おなじみの春の滑稽話。隣同士の武士の意地の張り合いがばかばかしい笑いを呼びます。庶民はこのようにして武士を揶揄していたのかもしれません。
前後しますが、志の輔のまくらはご当地のネタを入れてくるのが毎回のことですが、今回も佐賀が障害となっている新幹線問題で拍手喝采。
もう一つ会場の「市民会館文化ホール」を取り上げていて観客の肯首を得ていました。「またこの会場かと・・・」「伝統ある」など会場の古さを指摘します。中でも音響や照明チェックで客席に30分ほど座っていたと志の輔「座席が低いんですよね。あと座布団1枚分高ければ・・・」と低くて狭い昔ながらの座席を残念がります。古いホールをそのまま存続させるしかできない。新しいホールは作れないという長崎市の文化への貢献の低さを本当に私は強く感じます。
長崎市では長く「長崎市公会堂」というホールが文化の場として活躍してきました。正面から見ると鳥居の形が浮き出る不思議な建物でした。私は小さいころからこの会場で映画を見たり、音楽を聴いたりしていました。小学校4年の時には音楽会の舞台に立ち、今日まで続く音楽好きのもとが形作られたと思っています。
このホールは老朽化を原因として壊され、後に巨大な市役所ができました。市は公会堂の代替のホールを必ず作るという約束をしたと聞いています。場所も旧市役所跡地が選定され、どのような施設になるかも決定していました。ところが現市長はその進展をストップさせ、別の場所がないか再検討させました。
数か所の候補地が検討されました、いずれもホールの立地に合わず、結局最初の旧市役所跡地しかないことになりました。1年間を無駄にしたのです。この間に資材は高騰し、現在の予算では当初予定のホールの建築が難しくなり、縮小するというひどい話になっています。
長崎市ではこの旧市役所跡地と長崎県庁跡地という2か所のとても好立地な場所が現在更地として遊んでいます。市議会の議論を注視していても、旧市役所後の文化施設の話はとんと出なくなってしまいました。
博多駅前にNCBホールがオープンしました。398人収容の音響にこだわった設計のホールです。
シアターワークショップは公共ホールや劇場の計画から運営までを担うトータルプロデュースカンパニー、永田音響設計は世界各地のコンサートホールを手がけてきた音響設計の専門集団です。専門性の高い2社の知識と経験を結集させることで、平土間形式の多機能ホールでありながら、「音響」が大きな魅力のひとつとなっています。
ネットより引用
このホールは西日本シティ銀行のホールです。長崎市の新しい文化施設もこのような企業の協力を求めていますが、大企業がほとんどない本市ではうまく進んでいる気配は感じられません。
建設間際まで行っていた市民との約束の新しいホールを、遠回りした挙句どうなるか不安のみが渦まく現状にしたのは市長の責任だと思います。
よいホールの不在→よい演奏家が来ない→市民の文化の享受の困難
よいホールの不在→市民の発表の場の不在→市民演奏家の受難

福岡などの都会との文化格差は広がるばかりです。福岡に住んでいる友人のコンサートレポートを見るたびにうらやましく悔しい思いばかりがつのります。
昨日の新聞報道では何と長崎の新しい文化施設の建設地(市役所跡地)の一部にNHKの新社屋を建てるという話が出ていました。ただでさえそれほど広くない土地にNHKの放送局を建てるというのです。メインの文化施設がさらに縮小していく匂いがプンプンします。
個別の文化施設に別のものがくっつくガチャガチャとした環境になってしまう予感が強くします。長崎の行政がいかに「文化」というものを軽く見ているかがうかがい知れます。本当にがっかりすることの連続です。現市長の任期は来年4月までです。これまで何もせず縮小ばかりしてきたこの人にはもう降りてもらいたいと思います。
志の輔の文化ホールのまくらから話は横道にそれてしまいました。話を戻すと、今回の噺は2つとも古典の名作でした。以前は1席は「バールのようなもの」や「みどりの窓口」などの新作をやったので、今回も期待していたのですが、少し残念です。

しかも2席とも武家ものです。2席目のまくらでは世界の戦争状態に触れました。そして正論ばかりで話を進めることの功罪から「井戸の茶碗」に入っていきました。「どういうことかな」と観客の脳を刺激するまくらで興味関心や集中力がぐんと上がる感じがしました。
気づけば開演から2時間半が過ぎており、名人芸に興奮しながら帰路につきました。バカ正直者の正論を押し付けられる庶民の苦悩。さてアメリカ大統領の正論「イランに核兵器をもたせてはいけない」それはその通りだと思いながらも、先がどうなるか見通せない現状に庶民は翻弄させられるばかりです。

次回は新作を聴きたいですね。迷走気味のこの世界を笑いでぶっとばすようなやつを創作してくれないかな。次回志の輔が来るとき新しいホールができていて「素晴らしいのができましたね」と言わせたいね。これまた先は不透明だけど。

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