黒沢 清監督作品「黒牢城」を観る。黒沢らしさはどこへ

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samon
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公開3週目10:30の回。ユナイテッドシネマ。10人ほどか。私以外全員女性

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結論

黒沢清らしさは残念ながら感じられず。次回時代劇ホラーに期待したい。

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概要・あらすじ

「スパイの妻」「クリーピー 偽りの隣人」などで国内外から高く評価されてきた黒沢清監督が自身初の時代劇に挑み、第166回直木賞と第12回山田風太郎賞をダブル受賞した米澤穂信による同名ミステリー小説を映画化。

城主・荒木村重を本木雅弘、天才軍師・黒田官兵衛を菅田将暉、村重の妻・千代保を吉高由里子、村重の腹心・荒木久左衛門を青木崇高、若手の家臣・乾助三郎を宮舘涼太(Snow Man)、事件の目撃者である狙撃の名手・雑賀下針を柄本佑、村重の隠し刀として暗躍する郡十右衛門をオダギリジョーが演じる。2026年・第79回カンヌ国際映画祭カンヌ・プレミア部門出品。

2026年製作/147分/G/日本
配給:松竹
劇場公開日:2026年6月19日

ネットより引用

荒木村重は織田信長の暴虐なやり方に反発して謀反を起こし、有岡城に立てこもる。織田軍に包囲され孤立無援となった城内で、村重は血気盛んな家臣たちを抑えつつ、妻・千代保を心の支えに、城と人々を守ろうと苦心していた。そんな中、城内で少年が殺害される事件が起こり、その後も怪事件が続発する。容疑者は密室と化した城内にいる家臣や身内の誰かで、城外には敵軍、城内には裏切り者という状況に、誰もが疑心暗鬼に陥っていく。追い詰められた村重は、信長の使者として説得に訪れ牢に囚われた天才軍師・黒田官兵衛に協力を仰ぎ、事件の解決に挑む。

同上

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感想

黒沢清作品はすべてを見ているわけではありませんが、幽霊の実在感を感じさせる演出がなかなか好きです。例えば葉月里緒菜の赤い服の女が空を飛ぶシーン(「叫」)など印象深く残っています。いわゆる嫌ーな感じを上手に伝えてくる作家であると思います。

さて本作はどうでしょうか。初めての時代劇に挑戦とのことですが、残念ながら幽霊は出てきません。季節ごとに起こる4つの事件はどれもロジカルに謎が解き明かされていきます。不条理さもありません。黒沢的な材料を取り払われた中で、黒沢清らしさはなかなか感じることができませんでした。

女性客の多さはたぶん菅田将暉めあてだと思いますが、ほとんど暗い牢の中のシーンなので、菅田の顔は影に隠れることが多く、残念に思った女性客は多いのではないでしょうか。声は明瞭に聞こえますけどね。菅田は声がいい役者さんです。

声といえば出ずっぱりの本木雅弘の声は若いころと比べて渋くひしゃげていい感じではありました。彼はガタイがコンパクトなので大将の豪胆さはありませんが、例えば御簾をくぐる動作などシャープで若々しい。村重が有岡城に籠城したときは43歳くらいなので、それをうまく表していると思います。

男たちばかりの城内で紅一点のヒロインが吉高由里子扮する村重の妻、千代保(ちよほ)です。村重を支える気丈な女性ですが、過去の恐ろしい記憶に悩まされてもいます。血にまみれた手を人形になすりつけて血をぬぐおうとするシーンが何度か出てきます。

ここから想起するのはもちろんマクベス夫人ですね。シェイクスピアの戯曲を見たことはないのですが、マクベスを翻案した1957年公開の『蜘蛛巣城』は衝撃でした。黒澤明監督、主演三船敏郎。マクベス夫人役は山田五十鈴で、彼女の手についた血をぬぐおうとしてもどうしても落ちない狂気のシーンは忘れられません。

吉高演じる千代保の血の手のシーンはきっとこれをオマージュしていると思われますが、山田の狂気を吉高が超えることは難しいと思いました。顔のない人形は不気味ですが、なぜ人形になすりつけようとするのかよくわからずノイズとなりました。

城内の武士たちはオダギリジョーはじめしっくりしていますが、唯一近藤芳正だけが浮いているように感じました。彼はNHKの「雲切仁左衛門」のときはドラマに自然に溶け込んでいるように思ったのですが、本作では「おやじキャンプ飯」の方が頭をよぎってしまい、なぜか笑ってしまう。

荒川良々のコメディアン的要素は全然生かされておらずまあもったいない気がしました。笑いの要素が全然ない映画ですので、近藤や荒川のキャスティングが成功していたとは思えません。

samon
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残念ながら黒沢清らしさは感じられない作品でした。またのチャレンジに期待しましょう。時代劇ホラーとか観てみたいですよね。

コメント

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