追悼 倉本聰 脚本「北の国から83冬」

Drama
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samon
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民放地上波はほとんど見なくなりましたが、久しぶりがこれ

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結論

笠智衆のとんでもない演技と風吹ジュンの美しさが印象に深く残る名品。

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概要・あらすじ

1981年10月の放送開始以来、日本中を感動の渦に巻き込んだ不朽の名作『北の国から』。北海道・富良野の大自然を舞台にした“小さな家族の、大きな愛の物語”を放送!
 田中邦衛、吉岡秀隆、中嶋朋子をはじめ、いしだあゆみ、竹下景子、岩城滉一、原田美枝子、地井武男、大滝秀治らおなじみの出演者と、倉本 聰による緻密な脚本、そして徹底したリアリズムによって生まれた数々の名シーンが鮮やかに蘇る!

ネットより引用

五郎(田中邦衛)とクマさん(南雲佑介)は11月から東京に出稼ぎに出て、純(吉岡秀隆)と螢(中嶋朋子)はけなげに小屋で留守を守って暮らしていた。その五郎たちが、わが家で正月を迎えるために歳末に帰ってきた。大喜びの純と螢。だが、大晦日から正月休みに、純たちの周辺で次々に問題が起こってきた。まず、みどり(林美智子)の息子の正吉(中沢佳仁)が家出したこと。友達の純や螢がほうっておけるわけはない。やっと見つかった正吉は純の家で正月を迎える。そのころ、部落には30年ぶりで沢田松吉(笠智衆)という老人がふらりと現れる。昔、この麓郷を開拓した草分けの一人で、一度は成功したが妻子を捨てて女と駆け落ちしてしまって以来、消息のなかった人だ。麓郷に身寄りは街のラーメン屋で働く孫娘妙子(風吹ジュン)がいるだけだ。東京で大成功したということだがどこか話がおかしい。そこへ突然、五郎に難題が持ち上がる。みどりの借金の連帯保証人として、700万円の返済義務を負わされてしまったのだ…。

同上

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感想

ドラマ本シリーズ終了後の最初のスペシャルドラマ。純・蛍・正吉とも子供のままです。レギュラー陣では竹下景子(雪子)や原田美枝子(涼子先生)の美人キャストは登場しません。代わりにたぶん今回のみの風吹ジュンがスポットされます。

そして本作で最も印象深いのは風吹ジュンの祖父である笠智衆の演技です。過去の自分の所業を全部忘れてふらりと戻った開拓の草分けの老人。開拓の仲間が黒板家の純らの祖父、正吉の祖父の杵次(大友柳太朗)。

先日「ブラタモリ」で十勝平野の豆づくりの話があり、豆は相場変動(第1次大戦で外国が豆不足になり、日本の豆が5倍から8倍の値段に跳ね上がった)で大儲けをしたとのこと。ゆえに十勝の農家は豆づくりだけに集中した。ところが冷害に弱い豆は大不作となり、地獄が十勝の農家を襲った。

投資の言葉で「卵は一つの入れ物に盛るな」というのがあります。入れ物を落としたら卵は全部割れてしまう。ある一つのものに集中するな分散しろということです。十勝では豆に集中したための悲劇が起こったということですね。

北の国からの話に戻りますが、笠智衆演ずる松吉がこの豆で一発当てた人物。突然に入った大金は人間を狂わせます。富良野の歓楽街で遊びまわり、終いには妻も家族も捨てて歓楽街の女と東京に逃げてしまう。富良野に残った妻や家族が苦境に立たされたことは想像に難くない。今も残っている孫娘の妙子はそれを忘れていないのです。

老いにより惚け気味の松吉は過去の自分の所業も忘れて故郷に戻ってきてしまいます。彼を突き動かすのは故郷での少年期の楽しい思いです。共に開拓を進めた仲間たちとの思い出です。雪の大地に豆の種子を蒔く松吉の姿は見る者の胸に痛切に刺さってきます。感情が揺さぶられ、涙腺がゆるんでしまう。

倉本脚本の真骨頂はこのような場面の創造だと思います。

そんな場面で忘れられないのは「北の国から87初恋」のエンディングシーン。初恋の相手れいを失い、絶望の中東京を目指す純。旅立ちは列車でも飛行機でもなく、五郎がつてで頼んで東京行のトラックに便乗させてもらうことに。

トラックを見送る五郎と蛍の姿に感動しますが、その後の感動がものすごい。家族との別れの後、純はれいとの思い出の曲尾崎豊の「I love you」をウォークマンで聴き始めますが、トラックの運転手からイヤフォンをはずされ、運転手はこう言います。

「そこの封筒におまえの親父が置いて行った万札が入ってる。万札の端に泥がついている。おれはそんなものもらえねえ。お前の宝にしろ」真っ白な雪道の中をトラックが走り去っていくのをカメラは捉えます。観る者はもう滂沱の涙です。倉本はこういうところがとにかくうまい。忘れえぬ名シーンです。

ちなみにトラックの運転手は今は亡き古尾谷雅人です。

samon
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「北の国から」本当にすばらしいドラマシリーズでした。倉本聰さんのご冥福を心よりお祈りします。

コメント

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