マーティン・スコセッシ監督作品「エイジ・オブ・イノセンス 汚れなき情事」19世紀上流社会の男の純愛 ファミリーの手のひらでころがされる苦み

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samon
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NHK お昼のBSシネマ。名作がぞくぞく。スコセッシってこんな映画も撮ったんだ!

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結論

自分の思いを達することができなかった男の悲しみが絢爛な世界で立ち上がる。観る者が自分の人生に引き写してしまう苦い苦い作品。スコセッシの新たな面を知る。オススメ!

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概要・あらすじ

『エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事』(The Age of Innocence)は、1993年に公開されたアメリカ映画で、マーティン・スコセッシが監督を務めた恋愛文芸映画です。19世紀末のニューヨークの社交界を舞台に、婚約中の弁護士と幼なじみの伯爵夫人が互いに惹かれ合いながらも、上流社会の掟に揺れ動く姿を描いています。

主演は『ギャング・オブ・ニューヨーク』のダニエル・デイ=ルイス、幼なじみの伯爵夫人エレンをミシェル・ファイファー、婚約者のメイ・ウェランドをウィノナ・ライダーが演じています。また、「愛と哀しみのボレロ」のジェラルディン・チャップリン、「から騒ぎ」のロバート・ショーン・レナードらが出演し、ナレーションは「ミスター&ミセス・ブリッジ」のジョアン・ウッドワードが務めています。

イーディス・ウォートンの1921年にピュリッツァー賞を受賞した同名小説を映画化しており、第66回アカデミー賞では衣装デザイン賞を受賞しています。

生成AI

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感想

19世紀雪のニューヨーク。オペラ座の前にならぶ馬車。続くビル群の間を雪をかいて進む車輪。すばらしく美しい風景や美術が、スコセッシ監督の驚きの一面を感じさせます。

頬のこけたダニエル・デイ・ルイスの憂い、若さ弾けるウィノナ・ライダーの美しさ、そして苦しみを秘めつつ匂い立つようなミシェル・ファイファーの美、このトライアングルにくらくらするようです。

ダニエル・デイ・ルイスのファイファーへの純愛の無垢であればあるほど、名家の圧倒的なファミリーとしての圧力が対比的に際立ちます。

若く何も知らないような新妻のライダーですら、ファミリーの中にあっては十分に老獪な女として戦慄すべき存在です。

ライダーは死の床で、息子に夫(デイ・ルイス)を老いたファイファーに会いにつれて行くように伝えています。この真意はなんでしょうか?

心がファイファーにあり続けた夫と生活し続けたライダーの大いなる悪意のような気がします。

その悪意に気づいたのかデイ・ルイスはファイファーに会うこと無く、いずこへか消えていく苦いエンディング。上流社会の中で、自分の思うように生きることができなかった男の悲しみは、つい自らの人生にも誰もが引き写してみるのでは無いでしょうか。

もしこの女と結婚していなかった・・・。詮無い悲しみが立ち上る苦い苦い映画です。

samon
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スコセッシの新たな面を見せてもらった気がします。非常に美しい主演3人とアカデミー賞の衣装を見るだけでも価値ある作品だと思います。ぜひ御覧ください。オススメです。

コメント

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