石ノ森章太郎の物語

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「石ノ森章太郎の物語」を読んでいます。60歳で亡くなるまでに770もの作品を描いた石ノ森章太郎。本の第1部は、彼が自分を描いた漫画作品を集めてある。彼の中に大きく存在し続けている手塚治虫、そしてトキワ荘の仲間たち。さらに遡ると、姉の存在の大きさが感じられる。音楽好きで、上京して住み始めるトキワ荘の部屋に、まずベートーベンのデスマスクを飾った。赤塚不二夫と二人で食うのが精一杯だったとき、ハイファイセット(オーディオ機器)を買うために一念発起し320ページの単行本を描き上げる。食費もままならないのに、クラシックのレコードを買いあさり、腹の虫と一緒に音楽を奏でていた。この音楽のパワーはどうだ。もはや人に音楽が欠くべからざるものであることを感じさせるではないか。

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