宮崎駿 原作・脚本・監督「君たちはどう生きるか」 コペル君などは全く登場しない 異世界ファンタジー どこかでみたことのあるシーンの応酬

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samon
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公開4日目。観ることができました。宮崎駿の新作。事前情報完全シャットアウトは、期待と不安での観賞体験となりました。

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結論

瑕疵多し。解釈多数。ぜひ自分の目で確かめてください。まずは観るべし。

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感想

ネタバレありです。御注意を。(画像ほとんどありありません)

どこかで観たことのあるシーンのオンパレード。「トトロ」「ナウシカ」「もののけ姫」「ラピュタ」「カリオストロ」最後は「コナン」まで。

気になるのは、オリジナルよりトーンダウンしている感があること。特に「カリオストロ」の時計塔のシーンのセルフオマージュと思われる、塔の上までインコ王を追っていくシーン。ただの木の板の通路の重なりであり、「カリオストロ」の精緻な時計の歯車をルパンが登っていくのとは雲泥の差になっています。

水彩画風の美術は、五島市出身の山本二三氏の偉業に比べるに値せず、特に田園風景は粗雑感あり。物語から乖離している印象が強い。そんな浮いた美術の上で、原色べったりのインコ軍団が山ほど出てくるのが違和感ありありです。アニメ好きの友人にあのインコについて感想を聞いたら、「子ども向けのサービス」ではないかという説。

もうひとつの子ども向きサービス「わらわら」も手抜きな感じが満載です。「まっくろくろすけ」や「コダマ」のような精緻さはありません。過去のものの焼き直しなのにクオリティダウンしてどうするの。

主人公「眞人」はかたくなで、感情移入しにくいのもマイナス。宮崎駿の少年時代を忠実に描いたのだろうか?負けず嫌いで、ケンカした相手の立場を悪くするような卑怯な行為を画策する嫌なやつにも映る。

よかった点も述べましょう。冒頭の火事のシーン。火の中に取り込まれていくような揺らぐ画面が創作の意欲を感じさせました。友人曰く「宮崎の作品は、いつも前半とても力が入っている。でも、後半時間が無くなって、粗雑になる」。なるほどと思う。あの冒頭の作り込みが、作品の隅々に行き渡ったなら傑作になったかもしれません。

ちなみに話題になり本も売れた吉野源三郎「君たちはどう生きるか」は小道具として出るのみで、内容には関わってはいません。主人公コペル君の「コ」の字も出てきません。亡き母からのプレゼントであり、母から「あなたはどう生きるの」とたずねられていると考えることができます。勇気をふるって謎の塔に入ろうとする原因とも解釈できます。でも、主人公は淡々としていて、周囲の人との関係が希薄に感じられるので、そのへんすっと伝わらないんですよね。

samon
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この作品の賛否は今真っ二つにわかれているとのこと。私も残念ながら手放しで賛成はできません。ただ、難解な内容が今後説き明かされていくことで、「そうだったのかー」と凡人を驚かせてくれるかもしれませんね。すこし見守ってみましょう。さあ、あなたはどう感じるでしょう。ぜひ劇場に足を運んで自分の目で確かめてください。

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