月曜の午後は完全貸し切りでした。2時間半の長い映画ですが、特撮や撮影技術で退屈ではありませんでした。ただ何が残った?と考えると・・・
結論
見せ場多く、2時間半はあっという間。ローラーコースタームービーと割り切って見ればOK。
概要・あらすじ
長編デビュー作にしてイタリア映画初となる異色のダークヒーロー・エンタテインメント『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』が、本国アカデミー賞(ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞)で7冠受賞の快挙を成し遂げ、世界中で話題を呼んだ新星ガブリエーレ・マイネッティ。そんな彼の監督第2作となる本作は「特殊な異能力を持つが故に世間に馴染めず肩を寄せ合って生きてきた超人サーカス団が、ナチス・ドイツの悪党どもに立ち向かう」という、設定だけでもワクワクするような極上のエンタテインメント。
公式HPより引用
第2次世界大戦下のイタリア。ユダヤ人の団長・イスラエルが率いる小さなサーカス団には、光と電気を操る少女、虫使い、多毛症の怪力男、磁石人間の道化師と、その特殊な能力のせいで普通に暮らすことができない団員たちが肩を寄せ合いながら暮らしていた。イタリア国内でもナチス・ドイツの影響が強まる中、戦火を逃がれてサーカス団ごとアメリカへの脱出を考えていた団長のイスラエルが、突然姿を消してしまう。光と電気を操るマティルデは団長探しに奔走するが、怪力男のフルヴィオら3人は仕事を求め、ド派手なパフォーマンスが話題のベルリン・サーカス団の門を叩く。しかし、団長のフランツはナチスを勝利に導く異能力者を探し出し、人体実験を繰り返すという裏の顔を持つ男だった。
ネットより引用
感想
イタリアの小さな町を回る見世物テント小屋。薄暗い中でのフリークス達の演技を一緒に眺めている風情はいいものです。
音響、音楽を一手に行う団長イスラエルの活き活きとした姿。打楽器、ラッパ、しまいにはテルミンも演奏します。
しかし、その後はイスラエルは引っ込み、主役の4人より格下の扱いとなるのが残念。ナチの前では何もできないという民衆の象徴でしょうか。
4人のサーカスショーが終わると、一転してドイツ軍の空爆シーンで、大迫力です。戦場に入ったクオリティの高いクリアな報道画面を見るようです。見所です。
敵役のフランツもまた、サーカスの座長。異形の6本指のピアニスト。演奏場面は結構長いです。ピアノ協奏曲の体ですが、ステージの中央にピアノがあり、オケはどこにいるのかわからないという始末。フランツの孤独が強調される効果があります。
この映画の世界観がこの二つの見世物小屋で進行するのがとてもよろしい。映画全体が薄暗い中で事は進行していきます。
加えてレジスタンスの連中も異形のせむし男がリーダー。まさにフリークスが主役の映画です。レジスタンス達の森の中のアジトもいい雰囲気です。
レジスタンス達と電気少女マチルデのイスラエル奪取作戦は昼間の大激戦。マシンガンの威力が恐ろしいばかりです。中間のクライマックスでしょう。
最後のクライマックスは、マチルデが最大出力を発現。地獄の業火となってドイツ軍を焼き払いますが、現場は割にきれいに草などが残っており、違和感は残ります。
驚きの画像を最後に紹介します。フランツに捉えられた磁石男マリオは巨大な歯車に縛られて歯車の回転とともに体が回転しますが、彼の巨大なイチモツがぼかしもなくそのまま上映されています。日本もここまできたかー、という感慨が。ちなみにレーティングはR15ですね。
2時間半の長尺ですが、見せ場が多く退屈はしません。でも、見終わった後何も残るものがないような気がします。ローラーコースタームービーと割り切ればいいのでしょうが、主人公達が異形な人々故、彼らの背負う悲しみなどがもっと出ていればよかったかもしれません。
この映画の評価があまり高くないのは、映画が終わった後の心にどっしりと残るものの無さかもしれませんね。素材や世界観がよいのですこし残念です。エンドタイトルの絵の中に「鋼鉄ジーグ」の仮面が出てくるのがご愛敬。監督の前作、イタリア初のダークヒーロー映画「皆はこう叫んだ、鋼鉄ジーグ」ちょっと興味を惹かれます。
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