「KCIA 南山の部長たち」イ・ビョンホン主演 ウ・ミンホ監督作品 実際に起こった大統領暗殺事件を描く 緊迫の権力争いについに決断する男たち 

映画
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samon
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先述した「キングメーカー大統領を作った男」つながりでの鑑賞です。アマゾンプライムにて。イ・ビョンホンが耐えに耐えてついに切れてしまう男を静かに熱演しています。

あらすじ

1970年代、韓国はパク大統領の絶対的な支配下にあり、大韓民国中央情報部(KCIA)は大統領直属の諜報機関として、どの政府機関よりも優位に立っている組織であった。しかし、1979年10月26日、パク大統領はKCIAのトップであるキム・ギュピョン部長の手によって射殺される。

事件発生40日前、政府の隠密かつ違法な活動を知り尽くしていた元KCIA部長パク・ヨンガクはアメリカに亡命し、コリアゲートの捜査にあたっての重要参考人として下院議会聴聞会に呼ばれ、パク大統領を「革命への裏切り者」と証言し、大統領の腐敗を告発する。これに激怒したパク大統領はキム部長をアメリカに派遣し、パク元部長が出版しようとしている回顧録が出版されないために手に入れるよう命じられる。パク元部長は回顧録をキム部長に渡すが、「イアーゴ」という男がいることを忠告する。その男は大統領の真の右腕であり、KCIAはそのことを何も知らなかった。

キム部長がアメリカから帰国して間もなく、クァク・サンチョン警護室長が大統領官邸CIAの盗聴器を発見する。それはKCIAも察知できていなかった事態だった。大統領を守るためにあらゆる手段を講じるが、やがて立場を失っていき、追い詰められたキム部長はとある決断をくだす。

wikiより引用

冒頭に暗殺のシーンを拳銃の音のみで示して、その後そこに到る道が描かれていく手法です。暗殺に到る道は、ゆっくりじっくり醸成されていくので、ラストの昇華が効果絶大になっています。

朴 正煕(パク・チョンヒ)とは

暗殺されるパク大統領とはどんな人でしょうか。

1961年軍事クーデター国家再建最高会議議長に就任し、1963年から1979年まで大統領(第5代から第9代)を務めた。彼の時代から約30年間にわたって『漢江の奇跡』と呼ばれる高度経済成長が実現され、韓国は世界最貧国の層から脱したと評価される[3]

一方で1972年の改憲で大統領任期と重任制限を撤廃することで永久執権を図ろうとし、また民主化運動をスパイ操作や司法殺人などで弾圧したとして「独裁者」との批判的評価も受けており、1979年に側近の金載圭に暗殺された。

wikiより引用

高度経済成長を実現した大統領なのですね。また、彼の娘は第18代大統領朴 槿恵(パク・クネ)さんです。彼女は任期中に弾劾訴追され大統領の職を追われています。さらに、彼女の母親であり朴 正煕大統領の妻である陸英修も暗殺されています。すさまじい大統領一家です。

ファーストレディだった陸英修の暗殺は文世光事件といい、在日朝鮮人だった文世光が日本の朝鮮総連の指示で、朴 正煕大統領暗殺を実行し、それに巻き込まれてしまった事件です。文世光は暗殺のための拳銃を大阪の派出所から盗み出して暗殺実行に到ったのです。全然知らなかったですね。

暗殺の背景

文世光事件の背景は、「赤化統一」という共産主義による朝鮮南北の統一を目指したものとされています。さて、本作「KCIA 南山の部長たち」の暗殺の背景つまり殺害の動機は何なのでしょうか。

金載圭が大統領の殺害に至る動機についてははっきりしない部分もある。金本人は裁判において「民主主義回復のための革命」である旨の動機を述べている。一方で、国軍による事件調査報告では、対立関係にあった車室長に対する不満、職務を満足に遂行できていない事への大統領からの叱責などにより、自らの地位が脅かされることを恐れた末の、個人的な恨みによる犯行とした。

wikiより引用

映画ではキム部長の言葉から、より「民主主義回復のための革命」という理由が強く押し出されています。暗殺前にキム部長は大統領に向かって「61年の革命は何だったのですか?」と詰め寄ります。つまり、61年の革命は民主主義のためのものであり、その志を今の大統領は失っているのではないかとキム部長は大統領に突きつけたのです。

映画ではこのことをより確証づけるために、KCIA前部長の存在が大きく取り上げられます。元KCIA部長パク・ヨンガクは大統領を「革命の裏切り者」とし、そのことを大部の回顧録に記しています。この回顧録をもってアメリカに亡命。

映画は亡命した彼が、大統領を告発するシーンから始まっています。そして、パリで暗殺されるシーンは映画の重要なクライマックスのひとつとなっています。いわば、この2人のKCIA部長がダブル主人公と言ってもいいかもしれません。だからこそ、題名が「南山(=KCIA)の部長たち」なのでしょう。

民主主義の目標のもとでの革命だったはずが、それを裏切る大統領が許せなかったことが、殺害動機として強く打ち出された映画なのです。

裏の動機

wikiにはこんな暗殺動機も記されていました。

当時、韓国政府は極秘裏に核兵器開発計画を進めており、アメリカ政府の怒りを買っていた(当時のカーター政権と朴政権との関係は様々な問題で最悪の状況だったと、後に金桂元は雑誌のインタビューで証言している)。このため、暗殺にアメリカ中央情報局(CIA)が関与したとする見方があるが、真相は明らかではない。いずれにしても、朴正煕大統領の暗殺によって韓国の核兵器開発計画は挫折した。

スティーヴ・シャガンの『ザ・サークル』は、この米国情報機関の関与を絡めたスリラー小説です。読んでみたいですね。図書館に検索かけたらありませんでした・・・。残念。

samon
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それにしても、韓国の政治の世界を覗いた2つの作品を通して、かなりの闇を感じることができました。日本の政界はどうなのでしょうか・・・。9月に入り、暗殺された日本の元総理大臣の国葬が近づいています。この元総理の評価に疑問をもつ私は、賛成できないと思っています。費用が16億円もかかるそうです。国葬の準備等を取り仕切るのが、「桜を見る会」を準備していた企業だそうです。日本の政界も清明とは言えなそうです。
いろいろと考えさせてくれるこの映画「KCIA南山の部長たち」はアマゾンプライムで観ることができます。ぜひ。

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