アマゾンオリジナル映画です。月がエイリアンの建造物だった。AIが自我をもち、襲ってくる。など興味をそそるテーマです。CGとはいえ、映像は美しく楽しめます。中国資本が入っており、登場人物の1人が中国からの留学生。また、中国がロケットをアメリカに貸与します!
あらすじ
原因不明の力によって、月が本来の軌道を外れた! しかも、あと数週間で地球に激突するという驚くべき事実がNASA(アメリカ航空宇宙局)にもたらされる。
誰もが成す術がないと絶望するなか、立ち上がったのは“1人のエリート”と“2人の曲者”だった。
NASA副長官のジョー・ファウラー(ハル・ベリー)、一流の宇宙飛行士で今は退廃的な生活を送るブライアン・ハーパー(パトリック・ウィルソン)、天文学博士を自称するフリーターKC・ハウスマン(ジョン・ブラッドリー)。
未曽有の危機に瀕した地球の運命や、いかに……。
ここから引用
冒頭、ハーパーらが宇宙で船外活動中、謎の雲状のものに襲われます。そのとき船内でオペレーティングしていたのがファウラー。ハーパーは一緒に作業していた仲間の死の責任を問われます。ファウラーはその後出世。道をたがえてしまった2人が再び力を合わせるという、割によくある流れとなっています。死んだ仲間がエイリアンにとらわれていて生きていたなんて展開を思い描いていましたが、ありませんでした。
ローランド・エメリッヒ
ドイツ生まれでアメリカで活躍する映画監督ですね。すぐ浮かぶのは「インディペンデンス・デイ」でしょうか。巨大な円盤に驚きました。この映画で世界の主要都市を破壊しつくしました。その後もディザスター映画を作り「ハリウッドの破壊王」と呼ばれています。
巨大トカゲ姿の「GODZILLA」も彼の監督作品。日本のファンからは酷評されましたね。
ゲイであることをカミングアウトしており、LGBT等の寄附や社会活動にも寄与しているようです。儲けた金を人権活動などに使うとは、いいお金の使い方ですね。
「デイ・アフター・トゥモロー」や「2012」などのパニック映画は観ていませんねえ。さて、今回の月が落ちてくるパニック映画はどうでしょうか。
ハル・ベリー
ヒロインの彼女は、1966年生まれですから56歳です。しかし、若い頃と全く変わらないように見えますね。日本の女優さんでもそうですが、アンチエイジングの技術はすごいと思います。
2002年に「007 ダイ・アナザー・デイ」でボンドガールを務めますが、そのとき36歳だったのですね。なお黒人のボンドガールはこのときが初めてだったそうです。やはり、その美しさは輝いていたのでしょうね。
中国
本作は制作に「ファイブラザース」という中国の企業が参入しています。映画冒頭に出てくる製作会社の中に漢字がでてきたのでびっくりしました。
そのせいか、博物館のスペースシャトルで月に向かう際のロケットを、中国がアメリカに貸与するという場面があります。
また、登場人物の中に中国からの留学生役で中国系カナダ人の女優で歌手でもあるケリー・ユーが出ています。彼女はドラマの中でも勇敢に活躍します。ちなみに日本人は出ませんね。
中国と米国、映画のように仲良くして欲しいですね。
ムーンフォール
月が落下してくると、ガンダムのコロニー落としみたいになるのかと思いきやそうではなく、何と月の表面が壊れていき、地球に無数の隕石が落下することになるのですね。そこは驚きました。
津波は、超巨大なものでなく、東日本大震災の時のような低く押し寄せてくるものでした。日本の実際の出来事が映画に影響を与えたのかも知れません。
破壊王エメリッヒはとうとう月の外郭を壊してしまったわけですが、巨大建造物である月の内部の様子は、かなり機械的で人類的イメージでもうひとつでした。ここでも映画「エイリアン」の例えば異星人の宇宙船のイメージなど、私たちの想像を絶するもので驚きました。左右対称でないのですね。
本作での月内部のイメージはシンメトリーなものが多かったですね。ちょっと残念でもの足らなかったと思います。
人間ドラマも、米国映画らしい家族愛、自己犠牲が前面に出ていて、少し鼻につきました。
主人公ハーパーの相棒のドクターも、おちゃらけすぎでしたね。
ラスト近くのクライスラービルが「猿の惑星」の自由の女神状態になっていたのはよかったな。クライスラービル美しくて好きです。そういえば映画前半でも、窓の向こうにまだ正常なクライスラービルが映ってました。
CGと陳腐なドラマに、「もうひとつかなー」というところでしょうか。家族みんなで観るのにはいいかもしれません。以上。
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