少し酔いが回り、よい気分で今日は鬼束ちひろを聞こうと思いました。エソテリ君で彼女の声を聞いていなかったと思ったのだ。「インソムニア」をと思ったが、やはり究極のバスト版「ウルチメイトコレクション」を聞くことにする。
このアルバムはどれも名曲揃いだが、冒頭の「流星群」あたりではまだアンプが暖まっておらず、その後徐々にいい音へと変化する。そして「Back Door」あたりでは大変よい声で再生できてくる。「足跡だらけの道など 走るのはやめて 切らした息を元に戻すの where is the back door?裏口はどこ?裏口はどこ?僕自身の逃げ場はどこ?」もうどうしようもなく疲れたとき、裏口から出ていっていいんだよ。そう勇気づけてくれるようだ。
一番好きな曲が最後に配置してある。冒頭のピアノからあかるい星の光が差したようだ。「喜びよりも悲しみよりもただ君のことを考えているよ 今夜君の元へ」しびれるようななつかしい感覚。「どうか高鳴るこの胸を きらめく夜汽車に乗せて伝えたい」究極のラヴソングだ。ともすれえば陰鬱に響く鬼束の神髄は、実はこの曲のような明るさにあると思うのだ。今日も最後まで聞いてしまった。エソテリ君とマッ君はいい声を聞かせてくれた。幸せだ。
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