破られた沈黙

ジョン・クラシンスキー監督作品「クワイエット・プレイス　破られた沈黙」を観てきました（ユナイテッドシネマ長崎）。アバンタイトルで、モンスターが来る初めの日（１日目）が描かれ、その後第１作の続き（パート２）となる。四百日以上が経過したあとの物語だ。１話で観客を魅了する強く美しい母（エミリー・ブラント）の活躍は少し引っ込み、二人の子どもたちの成長の話ともなっているところが感動的だ。前作同様のディストピアと美しい自然描写もすばらしい。母は今回もどこまでも強いが、次男の十字架にあるものを捧げるシーンがあり、考えようではたいへんセクシーなシーンと感じた。また、耳が不自由な長女リーガンの視点ならぬ聴点となり、音が一切消える場面が時折挟まれるが、これがとても怖い。聞こえないということの恐怖を感じさせる見事な演出だ。さて破られた沈黙で、モンスターたちは駆逐されるのだろうか。パート３を観たいような、ここで余韻をもたせて終わるのも悪くないような。