ジェフリー・アーチャー著「運命の時計が回るとき」ウィリアム・ウォーウィックの警察出世物語第4弾 複数の未解決事件を解決しながら、ついに宿敵フォークナーを追い詰める

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samon
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ウイットに富んだ会話、知能と知能のぶつかり合い。スコットランドヤードの警官たちの活躍をいきいきと描くシリーズも4作目。果たして今回は?

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結論

囮捜査官ロス・ホーガンがチームに加わり、ウィリアムをもしのぐ大活躍。タフでプロフェッショナルな活躍に釘付け。

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概要・あらすじ

ジェフリー・アーチャーは最年少で下院議員となるも、幽霊会社に投資して全財産を失う。作家デビュー作の「百万ドルをとり返せ」が大ヒットし、借金を完済します。その後ロンドン市長選挙候補に選ばれますが、偽証罪と司法妨害罪で実刑判決を受け、服役します。仮釈放となり社会復帰しますが、なんとまあ波乱万丈人生でしょうか。

ロンドン警視庁のウィリアム・ウォーウィックは警部昇任後、豪華客船に乗り、束の間の休暇を妻と過ごしていた。
だが一族を引き連れた老大富豪が後継者争いの最中に死亡。
ウィリアムは真相究明に乗り出す。
一方、彼の留守を預かる同僚たちは5件の未解決殺人の再捜査を開始。
まもなくウィリアムも合流し、敵対する犯罪組織の報復殺人事件を追うが——。
巨匠が放つ、至高の英国警察小説!

「著者インタヴュー」と「ウィリアム・ウォーウィックの極秘ファイル」を特別収録!

google booksより引用

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感想

構成が面白い作品です。サブタイトルとして「ロンドン警視庁未解決殺人事件特別捜査班」がどんと出ていますが、冒頭の豪華客船での毒殺事件解決に結構な量を費やしています。

ブキャナン家のお家騒動なわけですが、そのブキャンナ家の若者ジェイムズがウィリアムの助手的役割で絡んでくるのが面白い。この聡明な若者が今後のシリーズでも再登場する可能性は高いですね。巻末のアーチャーのインタビューでも自身そう語っています。魅力的キャラがまた一人加わった感じです。

本シリーズは、登場するキャラの一人一人がすべからく印象的で魅力的です。それを描き出していくのがアーチャーのすばらしい腕前です。

中でも、囮捜査官として一匹狼的にこれまで活動していたロス・ホーガン警部補にスポットが当たります。ウィリアムが少し霞んでしまうほどの大活躍です。

さらに、敵方のブース・ワトソンにハニートラップとして雇われたジョセフィーヌの存在がまぶしい。スパイとしてホーガンに近づくわけですが、果たしてどうなるか。驚きの展開となりますのでお楽しみに。

後半でウィリアムの率いる新チーム「未解決事件特別捜査班」は複数の未解決事件を並行的に捜査していきます。2グループのヤクザ、極悪の借金取り、保険金殺人など。ロス・ホーガンは驚異的な働きを見せます。

さらにそれらと並行して、宿敵マイルズ・フォークナーを追い詰めていく複雑な展開となりますが、読みやすいのでご心配なく。

エンディングで厳格な上司ホークスビーのお茶目な瞬間でさっと幕を閉じますが、ゆえにかとても爽やかな読後感を残します。

samon
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分厚い文庫本ですが、さらさらと読めていきます。シリーズ第5弾は2024年秋に刊行とのこと。楽しみですね。

コメント

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