アナザーラウンド

Movie
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長崎セントラル劇場にて、トマス・ビンターペア監督作品「アナザーラウンド」を観てきました。レディーズデーということで、女性の方多かった。この映画館には久し振りに行ったのだが、シートが代わっていた。なんと最前席は寝椅子状態のシートだ。すでに女性が占められていたので、その後ろの通常のシートに座ったが、今度はあそこに座ってみたいなあ。つまらん映画だったらゆっくり寝れるだろう。さて、アナザーラウンドだ。「もう一杯」という意味。酒の映画だ。主人公は教えることにいささか空虚感を覚えつつある4人の高校教師たち。その中の一人がある哲学者の説「血中のアルコール濃度0.05%を維持すれば、リラックスしてすべてうまくいく」を実験すると言う話。0.05%というのはワイングラス2杯ほどらしい。学校で試したところ、大成功。これまでうまくいかなかったことがどんどん上手に転がり始める。歴史の授業が楽しくなり、生徒たちの合唱には心がこもり始める。次に血中濃度をもっと上げてはと相成る。さらには、限界まで行くとどうなるかを試し始める。いわゆるダメとされていることを、大人がまじめに実験するのが愉快だ。特に根がまじめな教員は、そんなことをする者は少ないだろう。それも、仲の良い仲間があってもことかもしれない。しかし、閉塞的な現状を打ち破るための工夫・勇気は必要で、仲間がいればやれるかも。映画は「過ぎたるは」何とやらで、痛い失敗を被るが、仲間の一人は酒に飲み込まれ、命を落とすことに。しかし、仲間たちは彼をさげすむことなく、むしろこれから生きていくことへの応援者として大事にする。そういう意味では友情の物語である。妻との関係、子どもとの関係、なんか行き詰まり感を感じている多くの者への、一服の清涼剤のようなコメディだ。

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