「マネーショート 華麗なる大逆転」リーマンショックの内情を豪華キャストで、スリリングにコミカルにわかりやすく描く佳編

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アダム・マッケイ監督作品「マネーショート-華麗なる大逆転-」(AmazonPrimeVideo)を観ました。

samon
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名前だけは知っている「リーマンショック」や「サブプライムローン」。その内実が、スリリングにコミカルに描かれています。本当の悪者はやつだったとは!俳優たちの白熱の演技に、映画に没入できること確実の作品です。ぜひ御覧ください。

あらすじ

元精神科医の投資家マイケル(クリスチャン・ベール)は、多数のデータの解析から、有名な保険会社が購入している債券が数年後に債務不履行に陥る予測をします。

その債券の共通点は、低所得者向けの住宅ローン(サブプライム)を含むことでした。

そこで、マイケルはCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)という企業の倒産保険を思いつきます。住宅ローン債権で銀行がつぶれるはずはないと思い込んでいた投資家たちは、マイケルの申し入れを喜んで引き受けます。

自分で書いていて、なかなか難しいと思います。

細かく書くのはやめて、これからは簡潔に記しますね。

金融業界は、簡単なことでも非常に複雑に表現して、わかがわからなくする。じつは、これこの映画の肝となるテーマのような気がします。

数年後のとんでもない予測に気がついた、3つのグループの男たちが、実際に人々に聞いて尋ねて、予測が確実であることに迫っていく展開がたいへんスリリングでおもしろいです。

調査の過程で、売るもののいい加減さ傲慢さ狡猾さ、買うものの無知と哀れさがあらわになってきます。以上!って全然あらすじになってません。失礼。

ライアン・ゴズリングのカメラ目線

リーマンショック予測を、マーク(スティーブ・カレル)に知らせるのが、ドイツ銀行の行員ジャレド(ライアン・ゴズリング)です。

彼は時折、いきなりストーリーから外れて、カメラ目線になり、私たち鑑賞者に語りかけてきます。

「ワケわからないだろ、自分がバカに思えるだろ。それが狙いなんだよ。金融機関はわざと独特な言い回しをして自分たちがやってる事に疑問を持たれないようにしている。」

私が実体験として今思うのは、「保険」です。いくら説明を聞いても、「保険」のしくみはいつも分かりませんでした。でも、みんなやっているし、もしものために・・・なんて理由で、これまで多くのお金を払い込んできたように思います。

もう、過ぎたことなのでどうしようもありません。この映画を観ていて、金融機関はわざとわかりにくくしているんだということが分かります。

難解さを緩和するサービス

男だらけの金融業界の物語の中で、用語等の難解さを少しでも和らげようとしたのでしょうか、二人のかわいい女優さんが出てきて、用語解説するのがおもしろいサービスです。

まずは、なぜか入浴中の「マーゴット・ロビー」です。彼女はサブプライムローンに関するマイケルの発見を説明します。「サブプライムなんてくそよ」と話を締めくくります。シャンパン片手の入浴シーンはゴージャス。大サービスですね。

もう一人は、セリーナ・ゴメス。彼女はゴージャスな衣装で、カジノにいます。隣には経済学の教授がいて、二人で合成CDOというものの意味を説明します。「セリーナが賭けに勝つかどうかに賭ける客」「その賭けた客が勝つかどうかにまた賭ける他の客」のような人間心理が生む危うが説明されます。

こういうシーンがあるからこそ、金融の難しい映画が楽しく見れるというものです。うまい工夫です。

ブラッド・ピットの叱責

本作の製作は、ブラッド・ピットの会社「PLAN B」が行っています。で、ブラッド・ピットも出演しています。前提知識無しに観たので、全然気がつきませんでした。サブプライムの破綻に気づく、第3のチーム、チャーリーとジェイミーの友人で、すでにトレーダーを引退したベンの役です。顔中ひげ面で、おまけにめがねを掛けているので、ブラピと分かりません。

金融の世界に嫌気が差して引退したわけで、地味に生活している役柄のせいもあり、気づきません。ベンは、過去の人脈や知識を使って、チャーリーたちに協力していきます。

チャーリーたちは資金が無いので、市場に参入できなかったのですが、あるアイディアで多額の金融商品を買うことができます。経済破綻に賭けたのです。大金を掴む夢に近づき、喜びのあまり二人は踊り始めます。これに対し、ベンは「やめろ。よせ。俺たちが勝てば、国民は家や仕事や老後資金を失う。年金もだ」と二人を叱責します。

自分の金儲けに夢中で、その結果がどうなるかを忘れてしまう投資家への強烈な批判がこのシーンで描かれます。この作品のテーマ部分であると思います。ブラピが最高にかっこいい場面ですね。

samon
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この映画は、もう一人の魅力的登場人物マーク(スティーブ・カレル)の活躍が実は一番名演であり、説得力に満ちています。彼の活躍は、ぜひ本編で確認してみてください。そして、本当の悪役が誰だったのかも。いつも割を食うのは庶民です
リーマンショック・金融問題という難しい題材を、上手に料理し、わかりやすく、しかもコミカルさも含みながら描いた本作は、とてもおもしろかったです。ぜひ御覧ください。オススメです。

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