
福岡のMAXオーディオさんが毎年夏に行ってくれているフェア。今年は会場を変えての開催。耳福を感じてきましょう
結論
高価な機器での最新の音を楽しむことができたが、選曲をもっと勉強して欲しい
概要
世界の最新オーディオが一挙に西九州へ集結 2日間限りの特別展示即売会 新会場出島メッセ
案内の郵便より
感想

今回最も高価なスピーカーを聴くところからスタート。YGアコースティックのHailey3.2こちらは
1460万円。ツイーターの製造の難しさ云々が説明されたが文系の私には十分理解できませんでした。音はさすがの上品さでしたが、見た目がどうしてもなじめません。富裕層の広大でモダンなオーディールームが必要な気がします。
日本の孤高のオーディーメーカー「アキュフェーズ」はなんとクリーン電源のアピールです。PS-1250クリーン電源を通した音と通さない音の比較試聴です。同じ曲を2回ずつ聴くので曲目は少なくなります。試聴曲は3曲。打楽器と金管楽器が鳴りまくるコープランドの「市民のファンファーレ」
クリーン電源ありでは、確かに広がりが増した気がしますが、聴いているうちに慣れてしまうのでクリーン電源のありがたみは比較の瞬間だけです。

これまでアナログのVUメーターだったのを、デジタルの液晶にして波形を出せるようにしたこと、またVUメーター表示もデジタルで作って、それをいかにアナログのメーターに寄せるのに苦心した話が語られましたが、あまり刺さりません。
残りの2曲は両方とも福山雅治のギター1本弾き語りのアナログレコードから。2曲もいらんだろと思います。やはりジャズを1曲入れて欲しい。同じレコードで手軽に済ませた感があります。
注目したのはクリーン電源よりも使っているスピーカーです。B&W801D4シグネチャーアビーロードスタジオエディションという長い名前。こちら1012万円也。これを聴きたかった。まずもって低位感がすばらしい。スピーカーの中央少し天上寄りの高さに福山が立ち現れます。どでかいスピーカーの存在は消えてしまいます。ああ、もっとたくさんの曲を聴きたかったなあ。残念。

ブルーのスピーカーがウィルソンオーディオのThe Watt & Puppy こちらは902万円也。黒い箱がクリーン電源ならぬバッテリーです。この視聴での使用機器はすべてこのバッテリーでの駆動です。AC電源の揺れや不安定さから完全脱却した電源というわけ。
1950年代の録音キャノンボールアダレイのミュートトランペットのなんとまあ生々しいこと。驚きです。もちろんアナログレコード音源です。アンネ・ゾフィー・ムターのチゴイネルワイゼンも細部まで明瞭に再生するすさまじさを感じました。

こちらの視聴ではほとんどアナログレコードをソースとしています。上の写真のTeckDASのアナログプレーヤーAirForceⅣの視聴も兼ねているからですね。こちら275万円也。最後に再生したのが松任谷由実の50周年アナログボックスから「ノーサイド」がかけられましたが、始まってすぐやり直し。「この盤は反っているので吸着します」という理由。バキュームかわかりませんが、ターンテーブルにレコードを吸着する能力があるようです。この吸着機能の紹介のためわざとやり直したのかも知れません。

次々に日本のオーディオメーカーが無くなって行く中でがんばっているのがTADです。CDプレーヤーの入口からスピーカーの出口までトータルで全部自社製造というのがアピール点です。各機器のデザインも統一されていて、シルバーと黒。うーん、欲しいという気持ちが湧きませんねえ。しかもソースがCDというのも今や古くないですか。そんな気持ちでは音が良く聞こえるはずはないですね。

ソナス・ファベールの創始者であるフランコ・セルブリンはソナスを出て、自らの名前を冠したスピーカーブランドを立ち上げました。Accordoを聴いて一目惚れした友人はすぐ購入。すばらしい音を再生してくれると言います。
本機はそのAccordoの後継機となるAccordo ゴールドベルグ。セルブリン氏は2013年に76歳にて永眠されてますから、後を引き継いだ人たちの開発機となります。こちら173万円也。下のスタンドが44万円!過去のAccordoはネットワークがこのスタンドの部分にあり、スタンドまでが一体のスピーカーだったわけですが、今回ネットワークを上部のスピーカー部分にもってきていて、つまりスタンド無しでブックシェルフ的に使えるというのがアピール点でした。
44万円が節約できる利点はありますが、スタンドともにひとつの製品としてその美しさも追求されていたものだと思うので、すなおに同意できない感もあります。前のAccordoユーザーの友人は、自分の者の方がいい音がするといっていました。
最後の試聴会はオルトフォン。カートリッジ関連メーカーの老舗です。今回はMC Xシリーズの紹介でした。独特のファッションのプレゼンターが少ない参加者に語りかけるような紹介です。ベストセラーのMC10.20.30の後継機でX10.20.30にフラッグシップのX40を加えたXシリーズ。

新開発のポイントはステンレスのフレームで新たな金型を準備しての形成。ステンレスは重いのでハニカム状に金属を抜いて軽量化と剛性を実現したとのことでした。
この試聴会でも後半はフラッグシップとその他との比較試聴が行われました。ソースはオスカー・ピーターソントリオの「ウィ・ゲット・リクエスト」の「You Look Good To Me」だと思われます。レイ・ブラウンの音程のいい弓弾き(アルコ)にピアノの和音アルペジオが加わり、ピチカートベースソロあたりまで。
各カートリッジの違いはそれほどわかりませんでした。どれもいい音を出していました。こちらのシリーズはめちゃめちゃに高価でもないので、私でも購入できるかも知れません。
針交換割引キャンペーンもアピールしていました。針交換と行ってもMMカートリッジのように針部分だけ変えることはMCカートリッジにはできないので、全体交換ということでしょう。同程度機器交換ということで、例えばMC10はX10にMC30はX30に割引交換できるということ。X40は交換できないのかな
広いメインフロアでは中古レコードも販売していました。珍しい物もありましたが、価格がお高め。購入は控えました。ジャズはほとんど5000円オーバー。クラシックも1500円以上でした。クラシックはソニーの全集物のバラもあり1500円以上で驚きました。私はそれガレージセールで100円で販売しました。

Maxオーディオさん毎年の開催ありがとうございます。毎年楽しみにしていますので、来年もよろしくお願いします。
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