
「ゴジラ」「ローグ・ワン」のギャレスが大金を投入して作るSF巨編ははたして。
結論
見慣れすぎたCGに驚きは無し。人間という神の創造したAIのていたらくを対比的に描いたのか?
概要・あらすじ
「ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー」のギャレス・エドワーズが監督・脚本を手がけた近未来SFアクション。
2075年、人間を守るために開発されたはずのAIが、ロサンゼルスで核爆発を引き起こした。人類とAIの存亡をかけた戦争が激化する中、元特殊部隊のジョシュアは、人類を滅亡させる兵器を創り出した「クリエイター」の潜伏先を突き止め、暗殺に向かう。しかしそこにいたのは、超進化型AIの幼い少女アルフィーだった。ジョシュアはある理由から、暗殺対象であるはずのアルフィーを守り抜くことを決意するが……。
「TENET テネット」のジョン・デビッド・ワシントンが主人公ジョシュアを演じ、「インセプション」の渡辺謙、「エターナルズ」のジェンマ・チャン、「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」のアリソン・ジャネイが共演。2023年製作/133分/G/アメリカ
原題または英題:The Creator
配給:ディズニー
劇場公開日:2023年10月20日ネットより引用
感想
かなり期待して観たせいか、「うーん」という感じが強いですね。
AIと人間(US)との戦いというよくある設定(古くは「2001年宇宙の旅」)で、新味なのは人間でなくAIに寄り添った視点でしょうか。というかAIの方がより人間的という変な話。人間に人間性が欠けて、開発者次第ではAIの方が情も愛もあるという設定です。
「ローグ・ワン」のエンディング、核爆発の熱波が主人公を飲み込むところは恐怖を感じさせました。本作ではLAへの核攻撃から始まり、同様の爆弾攻撃が何度も出てきてだんだん慣れてしまう自分がいました。主人公(ワシントン)も核爆発の熱波に飲み込まれますが、生きてますし。核の怖さは減じています。
「ゴジラ」で使った渡辺謙を、当初予定だった俳優の離脱で代役として起用したようですが、彼が出てくると「田沼意次がおる(NHK大河)」と変な混乱が生じてしまいました。
自走式のドラム缶型爆弾ロボットには悲哀を感じました。走行システムはキャタピラでもいいやんと思いますが、意図的に人間のような姿、しかも中年のおじさんが走ってくるような姿にしたために、自爆するために生まれたロボットの存在は悲しみしか感じません。

ぼうず頭のAIアルフィーは男の子か女の子かわかりませんが、声を聞くと少女と判明。吹き替えは何と市川ぼたんです。TVで彼女の舞う姿を見ましたが、実に美しかったですね。父團十郎の指導を熱心に聞いていました。吹き替えデビューということらしい。

大団円は空中要塞での攻防となり「未来少年コナン」ばりの大活劇ですが、CGに慣れきってしまった目と頭にはたいした驚きにもならないのが何とも悔しいことです。
創造者が作りたかったのは純粋な善良なる生命体(AI)だったのでしょうか?汚れきった邪悪なアメリカ人との対比で、明るいAI未来を描きたかったのでしょうか。
私は仏教徒ですが、キリスト教曰く、神が人間を創造したのなら、現在のこのカオスな人間世界のていたらくを神はどう見ているでしょうか。

期待が大きかっただけに、少し残念。金をかければいいSFができるとは限らないですね。
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