古賀 豪監督作品「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」 鬼太郎誕生以前の物語 最後の最後まで観るべし!

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samon
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アマゾンプライムにて鑑賞。つい最近まで劇場にてロングランしていた作品がもう配信で観れるなんていい時代になりました。

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結論

見事な大人向けのエンタメ作品として結実。104分でも十分映画は楽しめるのです。エンドタイトル出ても席を立つべからず!

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概要・あらすじ

2023年11月17日公開の東映アニメーション制作によるアニメーション映画水木しげる漫画ゲゲゲの鬼太郎』を原作とする劇場用作品。配給は東映。水木しげる生誕100年記念作品[1]PG12指定[2]

wikiより引用

廃墟となったかつての哭倉村にやって来た鬼太郎(声:沢城みゆき)と目玉おやじ(声:野沢雅子)。目玉おやじは、70年前にこの村で起こった出来事を想い出していた。あの男との出会い、そしてふたりが立ち向かった運命について……。昭和31年、日本の政財界を裏で牛耳る龍賀一族によって支配されていた哭倉村。血液銀行に勤める水木(声:木内秀信)は当主・時貞の死の弔いを建前に野心と密命を背負い、また鬼太郎の父(声:関俊彦)は妻を探すために、それぞれ村へと足を踏み入れる。龍賀一族の中では、時貞の跡継ぎを巡り醜い争いが始まっていた。そんななか、村の神社で一族の一人が惨殺される。それは恐ろしい怪奇の連鎖の始まりであった……。

ネットより引用

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感想

冒頭とエンディングを現在(鬼太郎・猫娘・目玉おやじ)、間に昭和31年を置く構成が分かりやすい。そしてエンドタイトル中とその後に重要な場面がでるので、絶対エンドタイトルで席を立っては(TVを消しては)いけません。

昭和31年、オート三輪が走り、オフィスはタバコの煙でけぶっている。主人公の水木は映画の多くの場面で喫煙しています。敵役の乙米(おとめ)もしかり。昭和の終わりまで本当に喫煙社会でした。新任だったころの職場(教育現場)もけぶってましたよ。

また水木とゲゲ男(鬼太郎の父)が墓場で酒盛りをするシーンがあります。カラス天狗がしこんだ美酒を酌み交わします。

つまり喫煙・飲酒からして本作は子ども向けに製作されたものではないようです。大団円ではかなりなスプラッターにもなってきます。大人向けの鬼太郎映画。鬼太郎で育った現在の大人達にむけた誕生物語というわけです。それでPG12です。

となれば哭倉村(なくらむら)への産道となるトンネルの表示も「哭倉トンネル」よりも「哭倉隧道」などの表示にしてほしかったですね。

当主の死による弁護士の遺産発表あたりからは「犬神家の一族」そっくりになります。洋風のテラスから屋敷の前の湖が広がるのもそうですね。「すけきよ」なみの気持ち悪さの白塗り「時麿」も犬神家ですね。

湖の真ん中の島が大団円の舞台となりますが、屋敷からこの島まで鍾乳洞でつながっているというのは「八つ墓村」味も加わってきます。この横溝正史色は私たち世代には大好物ですから、そのへんをくすぐってきます。うまい作りですね。

お約束の美少女も登場。龍賀一族の沙代。純粋可憐。本作のキャラクターの目の多くが三白眼(黒目がほぼ点のような状態)なのに対し、沙代の黒目はたっぷりのかわいらしさです。しかし、クライマックス彼女が大事なキーを握るのでお楽しみに。

鬼道衆(千年以上に渡って葛城山に本拠地を構え妖怪狩りの術を磨き続けてきた修験道一派)から追放された「裏鬼道」が登場。テラスでのゲゲ男とのアクションは映画の大事な見所です。

裏鬼道の首領長田があやつる妖怪「狂骨(水木しげるの点描感がよく出てます)」がラスボスで、真っ赤な血の桜が咲く地下でのゲゲ男と水木との対決は最大のクライマックスです。色彩の美しさに悲しさが倍加されます。

音楽は「パトレイバー」シリーズの川井憲次。パトレイバーのソリッドなかっこよさと異なり、情緒的な音楽で盛り上げます。「からーんころーんからんからんころん」のメロディを組み入れた終盤の音楽は古い鬼太郎ファンには染みますなあ。

104分の尺の中に、上手に見どころを配置した満足感ある作品に仕上がっています。これがヒット、ロングランの要因でしょう。

samon
samon

アニメとあなどるなかれ。1本のエンタメ作として見事に完成されています。ラストに明かされる鬼太郎の出自も興味深い。ぜひアマゾンプライムにてご覧ください。おススメ!

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