ジェフリー・ディーバー「ネヴァーゲーム」新キャラクター「コルター・ショウ」はリンカーン・ライムと対極の「動」のヒーロー

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samon
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新ヒーローの誕生です。懸賞金のついた失踪事件などを追う、警察でも探偵でもないフリーな立場。彼が、縦横無尽に動き回ります。

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結論

ゲーム業界、シリコンバレーの実態を巻き込みながら、流浪の新ヒーロー「コルター・ショウ」の冒険が始まる。作者得意のどんでん返しはもちろん健在。オススメ

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概要・あらすじ

ジェフリー・ディーヴァーによる小説『ネヴァー・ゲーム』には、人捜しの懸賞金ハンターであるコルター・ショウという新ヒーローが登場します。

シリコンヴァレーで19歳の女子大生が失踪した事件を捜査するショウは、警察の非協力にも関わらず調査を続け、事件の背後にビデオゲームが絡んでいることを突き止めます。被害者を誘拐し、『ウィスパリング・マン』というゲームを模倣して監禁する犯人〈ゲーマー〉は、刻々と迫る被害者の居場所を突き止め、彼らの命を救うために知力と体力を尽くします。

シリコンヴァレーとゲーム業界の光と闇を鮮明に描きながら、どんでん返しが読者を翻弄する作品です。

『ネヴァー・ゲーム』は、2020年9月25日に文藝春秋から出版され、池田真紀子が翻訳しています。

生成AI

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感想

事故による頸椎損傷で動けなくなったリンカーン・ライムが「静」のヒーローに対し、本作の主人公コルター・ショウは「動」のヒーローです。

父アシュトンによって、コルターと兄は徹底的にサバイバルの技術をたたき込まれています。また父とも何度も行ったロッククライムが現在でもコルターの趣味となっています。そんなアクティブな主人公が活躍する新シリーズです。

物語の中核は、ビデオゲームの世界が描かれます。リンカーン・ライムシリーズでも「コンピュータ」の世界が描かれる作品もありました。本シリーズの2作目「魔の山」ではカルト教団が取り上げられており、現代の様々な問題点を描きながら、同時に父アシュトンや兄らの事件が少しずつ語られていく形のようです。

コルター・ショウの知力・サバイバル力が、ディーヴァーの特徴であるどんでん返しの構成とあいまってどんどんページをめくらせていく力となっています。

物語の舞台はかの「シリコンバレー」。華やかな高給取りのIT社員ばかりをイメージさせますが、そうでなく高すぎてアパートを借りることができないためにカフェでノートPCを開いて夜を明かすITマンの姿が描かれます。

さらには不動産の高騰で住めなくなった住民が端に追いやられる実態も描かれています。

どんでん返しのエンタメ作品の中にこのような現実問題を振りまいているのもディーヴァーの特徴にもなっています。

samon
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「動」の新ヒーロー、コルター・ショウの登場、嬉しいですね。またひとつ読書の楽しみが増えました。現在シリーズ第2作「魔の山(TheGoodByeMan)」を読んでいます。恐るべきカルト教団にショウが潜入したところです。ドキドキで楽しんでますよ。まずは「ネヴァー・ゲーム」からぜひお読みください。おすすめ!

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