公開2週間で、かなり小さなスクリーンの部屋に移動していました。観たい映画はやはり公開後早めに観賞すべきですね。
結論
不思議な音楽にのって、ベラの無垢な冒険が展開。性交描写が多いのに爽快な読後感の不思議な作品。豪華な美術を堪能するにはやはり劇場へ急げ!
概要・あらすじ
『哀れなるものたち』(あわれなるものたち、原題:Poor Things)は、2023年公開のイギリス・アメリカ・アイルランド合作のシュール的(英語版)なSFラブコメ映画[4]。監督はヨルゴス・ランティモス。出演はエマ・ストーン、マーク・ラファロ、ウィレム・デフォーなど。脚本はトニー・マクナマラ。原作は1992年に発表されたアラスター・グレイの同名小説(英語版)である。
wikiより引用
あらすじ・ストーリー 天才外科医のバクスターの手によって胎児の脳を移植されたベラは、不幸な死からよみがえる。世界を自分の目で見たいという欲望に駆られたベラは、放蕩者の弁護士・ダンカンに誘われて大陸横断の旅に出る。偏見から放たれたベラは、世界を吸収し、成長していく。
ネットより引用
感想
PG-18は数々の性交描写が出てくるからですが、それらは扇情的でなく、痛快ですらあるのが実に不思議な映画です。故に成人指定であるのに多くの映画館での上映かもしれません。
成人女性の体に、胎児の脳を合わせた「フランケンシュタインの怪物」であるベラ(エマ・ストーン)。彼女の絢爛たる様々な衣装は、なぜか肩のところが異様に大きいものです。ボリス・カーロフのフランケンシュタインの怪物をほのかに連想させます。
フランケンシュタインたる医師のゴッド(ウィレム・デフォー)はつぎはぎだらけの顔で、やはり冷徹な実験をゴッドに繰り返した父親からすれば、ゴッドが「フランケンシュタインの怪物」になってしまった体です。こんなひどい仕打ちをされてもゴッドは同じ医師になることを選びました。
映画の終末でベラもまた「医者になる」と宣言し、同じ道をたどるという連鎖が示されます。自分が被った改変等への恨みよりも、科学的な興味関心が上回ったゆえでしょうか。
ベラが娼館で出会った社会主義者の女性とラストシーンでも一緒にいるわけですが、社会主義の思想の影響がベラの「医者」選択に影響したかも知れませんが、詳しくは語られません。
音楽もこの映画はとても変わっています。数本の弦楽器とさまざまなパーカッションでしょうか。特に2本のバイオリンのフラジオレット(弦を押さえずに触れるだけで演奏する奏法)の協和音不協和音は耳に残りました。
コントラファゴットとファゴット2本とかもありますね。amazonミュージックでシャッフル再生してます。バグパイプのような楽器での数十秒。
アレキサンドリアでの弾き語り。すてきなシーンでした。世界に旅したい気分になります。
不安定なハープ?ピアノ?とにかく不思議な音楽世界の短い曲がつまったサントラです。
音楽を担当したのはジャースキン・フェンドリックス。
英語から翻訳-専門的にはジャースキン・フェンドリックスとして知られるジョスリン・デント=プーリーは、現在無題と契約しているイギリスのミュージシャンです。彼は、ブラック ミディやブラック カントリー、ニュー ロードなどのバンドと並んで、ブリクストンのウィンドミル パブ周辺の音楽シーンに関係していることがよくあります。 ウィキペディア(英語)
「無題と契約」とは、契約していないということか、または「untitled」という会社と契約指定しているのかも。
映画ができる前から音楽は完成しており、けずったり追加したりが無かったといううそのような話。
ヨルゴス・ランティモス
ギリシャ・アテネ出身。アテネの映画学校で映像演出を学ぶ。2005年、初の長編監督・脚本作「Kinetta(原題)」を発表。続く不条理コメディ「籠の中の乙女」(09)でカンヌ国際映画祭のある視点部門でグランプリを受賞、アカデミー外国語映画賞にノミネートされ、独特の世界観と映像美で一躍国際的に注目を浴びる。長編監督第3作「Alpis(英題:Alps)」(11)はベネチア国際映画祭で最優秀脚本賞を受賞。初の英語作品「ロブスター」(15)はカンヌ国際映画祭審査員賞に輝き、アカデミー脚本賞にノミネートされた。同作に主演したコリン・ファレルと再タッグを組んだ「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」(17)でカンヌ国際映画祭の脚本賞を受賞。英国王室の愛憎劇を描いた「女王陛下のお気に入り」(18)はアカデミー賞9部門にノミネートされた。
ネットより引用
「女王陛下のお気に入り」がamazonプライムで観られるようです。
「アルプス」が新しい映画のサブスク「JAIHO」で観られるようです。このサブスクは「まだ観ぬ世界の映画をあなたに」というコンセプトのようです。
常に30作品が観られ、毎日1本新しい作品に変わるという方式。映画のチョイスもメジャーなものでなく、インド映画を初めとして世界中の日本未公開の作品も上映されるということ。興味ありますね。
アカデミー賞ノミネートの成人指定映画。おもしろいですね。様々なシーンが1週間後でも私の頭の中で回想されていくという不思議体験をしています。ぜひ劇場で御覧ください。
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