公開2週目くらいかな。すでに昼の回字幕版は、すこし小さなスクリーンに移行。回転速くて、気を許すともう終わっているという映画が多いです。13:20からの入りは20人足らずか。
結論
突っ込みどころ多けれど、楽しい時間。終わった後すぐに現実に戻れない感は、「失われたアーク」の時の感覚そのもの。今こそ大画面で観るべし。
概要・あらすじ
『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』(インディ・ジョーンズとうんめいのダイヤル、Indiana Jones and the Dial of Destiny)は、2023年に公開されたアメリカ合衆国のアクションアドベンチャー映画。『インディ・ジョーンズ シリーズ』の第5作目で、『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』の直接的な続編となる。また、ルーカスフィルムがウォルト・ディズニー・カンパニーに買収されて以来、初となるシリーズ作品である。ジェームズ・マンゴールドが監督、彼とジェズ・バターワース(英語版)、ジョン=ヘンリー・バターワース(英語版)が共同脚本を務めている。これまでのシリーズで監督を務めていたスティーヴン・スピルバーグは監督を降板してプロデューサーを務めている。
スピルバーグとルーカスが並んで「エグゼクティブプロデューサー」のクレジットを見るだけで「おおー」と気分がアガりますね。音楽はもちろん、ジョン・ウイリアムズ。引退宣言撤回で宮崎駿状態。でもいい仕事をしくれてます。
感想
ネタバレありです。御注意を。
冒頭のナチス列車のシークエンス。最高です。宝物車、食堂車、幹部車などいろいろの車両をインディが通っていくのも楽しい。夜の列車内でリアリティや奥行きも感じさせます。シークエンスエンドの夜明けの橋の下、インディとバズが去るシーンは絵画的で美しい。手前の白い花が効いてます。
「マジカルミステリーツアー」の大音響で、時の流れ1944年(冒頭)→1969年(現在)を明確に知らされます。インディの老いた裸体は見たくなかったなあ。もう冒険は無理と感じさせます。
誰も歴史の学習などに興味がない、高校の悲しい授業風景。それを10年も続けたインディの辛さが身に染みます。ここで、今回の女インディ的ヒロインでバズの娘ヘレナと再会します。インディは彼女を子どものころから「ウォンバット」と呼んでいます。「ウォンバット」はオーストラリアに住む巨大ネズミ有袋類。あだ名の由来は映画では出てきません。見た目の印象?
美しく成長した「ウォンバット」役はフィービー・ウォーラー=ブリッジ。女優にして脚本家の才女。英国の貴族の祖父がおり、父親は大地主のいいとこのお嬢さん。顔が面長で、若干おばさん顔です。本作では、絶対めげないガッツと金儲けへのしたたかさをよく表現していて、インディを食っている場面も多いですね。
特にオークションのシーンがよかった。彼女の真っ赤なブラウスは、その後のアクションでだんだん袖が取れていって、ついにノースリーブ状態に。アクション女優のタンクトップ姿はお約束。
「魔宮の伝説」のショート・ラウンド(キー・ホイ・クアン)のような存在が、ストリート・チルドレンのスリ「テディ」。ショート・ラウンドがインディに救われた戦災孤児なら、テディはヘレナの相棒であり、彼女への思いが強い。スリのテクニックは、地下水路に流された際に自分を救うことに活かされます。自分の力で生きてきた強さを示すかのようです。
インディ、ヘレナ、テディがオート三輪で繰り広げるチェイスは、「魔球の伝説」のトロッコチェイスの再現でしょうか。でも、結構長かったかな。スピルバーグならもう少し整理したかも。
海底でのリミット3分のシークエンスやクライマックスのシシリア島での遺跡での活劇は、かなりもたもたします。ウツボは怖くも気持ち悪くもないし(さらに訳の「ウナギ」で怖ささらに減)、巨大ムカデも暗くてよく見えない。過去作のお決まりを踏襲しますが、スピルバーグの悪趣味をマンゴールドは踏襲できません。マンゴールドらしさをもっと出してよかったのになあ。
タイムスリップ後のインディの「ここに残り、歴史をこの目で見たい」という歴史家の切なる願いは分かるし、何の希望もない現代へ戻りたくない心境は胸に迫ります。でも、あの女インディはそれを許さない。
現代に無理矢理戻されたから、エンディングのマリオンとのかわいらしいキスにつながり、再び冒険への活力が生まれたことが、帽子を取るところからわかる。でも今後のインディジョーンズはもうないわけだから、「インディ 過去に残る」というエンディングも悪くはないのでは。歴史家だったという点が印象づけられるエンディングになったと思いますがいかがでしょう。
いろいろ突っ込みどころはあれど、終わった後「ほーっ」となったのは、初めて「失われたアーク」をステラ座で観たときと同じ感覚で、実に楽しかったし懐かしかったです。これまでの作品を楽しんだ人なら、きっと楽しめるはず。劇場大画面で観るべき映画です。小さなスクリーンになってしまう前に、劇場に急ぎましょう。
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