久しぶりのホラー映画。低予算であることはすぐ分かりますが、それなりの工夫が施されていて、結構観れます。CGはチープ感いっぱいですが。いっそCGなしがよかったのでは。
結論
CGチープは気になるが、自主映画館満載、魅力的女子中心キャラ、フィルター使用の主観撮影、ループ時の変化など、工夫をこらした作りが一見の価値あり。
あらすじ
この世に存在しない「きさらぎ駅」にまつわる神隠し事件がインターネット上で話題になってから十数年後。卒業論文のテーマにとりあげた女子大学生は、当時話題となった投稿主をつきとめ、連絡を取る。
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前半は投稿者「はすみ」の体験談を、後半は主人公の女子大生「春奈」が同じ体験をなぞっていきます。
感想
撮影の多くが、野原や神社トンネルなどで行われており、自主映画感が満載です。そこがいい。
限定された登場人物は、魅力的な女性中心でなかなかよろしい。くりっとした目の目力が印象的な女子大生主人公を恒松佑里。リバーサルオーケストラの妹役はさわやかでした。
電車に同乗する真面目な女子高生を本田望結。かわいい顔に豊満な胸は魅力的。フィギュアスケートのスポーツ女子のさっぱり感もあります。
電車に同乗するギャルは、きれいなおみ足が魅力的な莉子。よく見ると表情もとってもキュートです。そして、年は召されたけれど迫力は十分の佐藤江梨子が「はすみ」役で映画に重みをつけます。
この世代別の4人の登場ヒロインのバランスがなかなかいいですね。男性陣にはあえて触れますまい。
前半佐藤江梨子が体験する異世界を、ブルーにフィルター処理し、周囲はぼやけているような処理もされています。そして、一貫して「はすみ」の主観映像として撮影。観客が異世界を疑似体験するねらいがあり、成功していると思います。
後半恒松佑里演ずる春奈が同じ体験をするわけですが、ここでは主観映像にあえてしなかったのがうまい。つまりまったく同じシチュエーションがくり返されるが、すこしずつ変化が加わっている。それを見る者はたのしむことができるわけです。この技法は、「涼宮ハルヒ」や「オール・ニード・イズ・キル」などで「ループもの」の定番ではあるのですが、やはりおもしろい。
前の反省を活かして進化させる人間の根源的な部分故の共感でしょうか?
しかし、「事故物件 こわい間取り」でも思ったのですが、映画故に何らかのちょっと合理的なおちをつけてしまうという瑕疵が、この映画にも感じられました。もともとが、意味不明の2chへの書き込みと突然の終了が、人々の想像力を刺激してこれほど盛り上がった都市伝説。これに何らかの結論をつけてしまうとつまらない。脚本家の性でしょうか。
CGはチープです。広がる血管も、壁に広がる模様も。走って追っかけてくるじいさんの方がよっぽど怖かったなあ。最初のワンカップおじさんの「スキャナーズ」風頭部爆破はまあまあ。
車の中での白目おじさんの登場は、分かっていながらも時間をかけて引っ張るのでやっぱり驚きました。うまかった。いっそCGなしでアナログで怖がらせてほしかった。
きさらぎ駅都市伝説
「きさらぎ駅」は、04年1月8日から9日にかけて、普段使っている遠州鉄道の電車に乗っていると、5~8分間隔で停車するはずの電車が20分以上も走り続けた後、実在しない駅「きさらぎ駅」に停車したなどとする「はすみ」さんの書き込みから始まった都市伝説。9日午前3時45分ごろ、「(携帯の)バッテリーがピンチです。これで最後にします」という最後の書き込みがあり、以後は掲示板には現れることはなかった。
ネットより引用
異世界もの、はやりですけど本作は低予算ながら工夫をこらしたのがなかなかよかった。困難を乗り越えるのはいつも「知恵と勇気」ね。暑くなってくるこれから、ホラーをいっぱい見よう!
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