劇場に観に行きたかった作品です。数ヶ月でサブスクに降りてくるのはとてもうれしいですね。値上げもあり、劇場に行く足がさらに遠のく気がします。最新作なのでネタバレに注意しながら書くつもりです。
結論
いまひとつ。大画面で観るべき映画かもしれません。IMAX劇場は長崎にはありません。
解説
「ゲット・アウト」「アス」で高い評価を受けるジョーダン・ピールの長編監督第3作。広大な田舎町の空に突如現れた不気味な飛行物体をめぐり、謎の解明のため動画撮影を試みる兄妹がたどる運命を描いた。
ネットより引用
田舎町で広大な敷地の牧場を経営し、生計を立てているヘイウッド家。ある日、長男OJが家業をサボって町に繰り出す妹エメラルドにうんざりしていたところ、突然空から異物が降り注いでくる。その謎の現象が止んだかと思うと、直前まで会話していた父親が息絶えていた。長男は、父親の不可解な死の直前に、雲に覆われた巨大な飛行物体のようなものを目撃したことを妹に明かす。兄妹はその飛行物体の存在を収めた動画を撮影すればネットでバズるはずだと、飛行物体の撮影に挑むが、そんな彼らに想像を絶する事態が待ち受けていた。
感想
微妙な作品です。特に韓国系アメリカ人のジュピが子役で出ていたシットコム番組で起きた惨劇の意味合いは?です。いやおうもない暴力(殺人)に巻き込まれる人間のあわれと言う点で、謎の飛行物体に同様のことをされる共通点はあるものの、ピンとこない。
機械の使い方もいまひとつわくわくさせない。手回し式のIMAXカメラって・・・。最新と旧式のハイブリットってわけがわかりません。可動式の監視カメラもいまや目新しくもない。電気店勤務のエンジェルの専門性が活かされていない気がします。
ブライアン・デ・パルマ監督の「殺しのドレス」には、機械好きの少年が、インターバルをおいて撮影できるカメラを使い監視するシーンがあります。撮影された静止画を連続して再生すると早回しの動画のようになり、そこから犯人のヒントを得る。とてもワクワクする機械の使い方でした。本作にはそのワクワク感がありません。
ジョーダン・ピール作品に底流する黒人差別問題も、本作ではあまり感じられず、いったい何をいいたかったのかな?という感じです。捕食者の前では、黒人もアジア人も白人も差別なく食われてしまいます。捕食者は誰を象徴しているのでしょうか。政治家?
雲の中の捕食者の姿もそれほど衝撃的ではありません。HRギーガーのエイリアンの造形のような美しさはありません。エイリアンの造形に取り付かれた私は、大学時代たいくつな授業中にエイリアンの絵ばっかりノートの端っこにかいていましたね。
形態変化した後もそれほど驚きもありませんでした。TVモニターで観たからでしょうか。IMAXなどだと衝撃度は違うのかも知れませんね。
カリフォルニアの寒々しい牧場とローアングルで登場人物と空を同時に捉えるショットは美しかったですね。わくわくもしました。
ジョーダン・ピール
アフリカ系アメリカ人の父親と、イギリス系の祖先を持つ白人の母親のもとに生まれる。10代後半からコメディアンとして活動し、米コメディ番組「マッドTV!」(03~08)に5シーズン連続でレギュラー出演。同番組の共演者キーガン=マイケル・キーとコンビを組み、出演・脚本・制作総指揮を務めたコント番組「キー&ピール」(12~15)で人気を集める。その一方で、俳優や声優としても映画やTVシリーズに出演。キーとともに主演したアクションコメディ映画「キアヌ」(16・日本劇場未公開)では製作・脚本を兼ねた。監督デビュー作「ゲット・アウト」(17)は、製作費500万ドルという低予算ながら全米興収1億7500万ドルの大ヒットを記録。人種差別問題を織り交ぜた脚本も批評家から絶賛され、アカデミー賞で作品賞、監督賞、脚本賞を含む4部門にノミートを果たし、見事脚本賞に輝いた。
ここから引用
「ゲット・アウト」おもしろかったですね。次の「アス」は未見。ピールが案内人をつとめる「トワイライト・ゾーン」もいくつか観ましたが、なかなか興味深かった。JJエイブラムスとともに製作総指揮をしたHBOドラマ「ラヴクラフト・カントリー」にははまりました。
つまり、かなり大好きな監督です。作品の背景には黒人差別の問題がいつも描かれており、単なるエンタティメント作品ではないところがいいですね。
「ゲット・アウト」で主役を演じたダニエル・カルーヤが本作「NOPE」でも主役のOJを演じています。キャストでは、韓国系アメリカ人のジュピ役は、「ウォーキング・デッド」のスティーブン・ユアンです。変わらぬ若々しさでした。
ジョーダン・ピール監督作と言うことで、期待しすぎたせいか、ちょっと拍子抜けでした。劇場の値段は上がりましたが、映画館の大画面で観るべき映画だったかも。劇場に足をはこぶこともやっぱり必要だなと思いました。
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