年末は第九 長崎交響楽団定期演奏会を聴く 神を讃え、喜びを叫ぶ それは民の賛歌であることに気づかされる

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samon
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友人達が多数出演する、長崎交響楽団の定期演奏会を聴きに行きました。今年は第九に挑戦しています。コロナの影響はまだ強く、合唱団との合同練習もなかなかできなかったとのこと。はたして、その演奏はいかに。

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結論

大変立派な演奏でした。特に第4楽章は感動的でした。さらに、合唱団の歌声がすばらしく、この楽章が多くの人々の賛歌であることに今更ながらに気がつくことができました。

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レオノーレ序曲第3番

演奏曲は2曲。どちらもベートーベン作曲の物です。休憩は無く、2曲が一気に演奏されました。

レオノーレ序曲第3番は、最初の和音からとてもよいバランスと重厚感で、期待を高まらせてくれました。弦楽器群が安定していて、安心して聴くことができました。後半にファーストバイオリンから始まるスリリングな早いパッセージが出てきますが、初め音型がよく分からず「おや」と思いましたが、ビオラ、チェロ、ベースと入ってくるに従い安定してきて、大きな盛り上がりをみせました。

管楽器群も安定のうまさですが、フルートだけ少し音が突出している感じで気になりました。

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第九交響曲

いわずと知れた日本の年末の風物詩のような交響曲ですね。

第1楽章冒頭は、霧の中のような弦楽器の六連音が明確に聞こえてきてよかったです。その後の全員での合奏も自然で見事。全体に速いテンポと思いましたが、オーケストラはよくついてきており、この楽団の演奏技術の高さを感じました。

第2楽章はティンパニが印象的ですが、見事でした。中間部でのホルンのソロも美しかったです。

第3楽章に入る前に、合唱団と4人のソリストが登場しました。多くの人数の合唱団でしたので、入場に少し時間がかかります。その間オケも少し休めてよかったですね。3楽章は天国的な美しさの曲ですが、速いテンポで進んでいきました。現代的だと思いました。ファーストバイオリンが主題を変奏しながら描きますが、テンポが速いので大変そうでした。

この楽章でもホルンのソロが見事でした。ホルンパートの技術の高さに驚きます。

さあ、いよいよ終楽章です。嵐のような全員での合奏の後、チェロとベースの低音弦楽器のレチタティーボです。レチタティーボはオペラの中で、歌手が語るように歌う部分のことをいいます。低音楽器がまるで自分の考えを語るように演奏します。

この楽団の低音弦楽器群は音程がよく、特にベースがしっかりと支えているので、音が明快に聞こえてきて、語りの説得力がぐっと増しているように思えます。

多くの人数で語るように合わせて演奏するのは難しいのですが、ほぼ完璧でした。ベースが飛び出しましたが、その後も安定した演奏でしたので、あまり気になりませんでした。見事のレチタティーボだったと思います。

今回、この楽章を聴いて新たに気がついたことは、歌はソリストよりも合唱が中心の曲であるということです。ソリストはもちろんお上手で、特にバリトンはよく響き、個性あふれる歌で心に残りました。でも、すばらしかったのは合奏団の歌唱です。ソリストと違って、全員がマスクでの演奏なのですが、その声はバランスよく響き、心に訴えてきました。特に男声合唱の響きに感動しました。

合唱団が中心となる音楽を通して、この曲は「神を讃え、喜びを叫ぶ」多くの人民の賛歌であることに気がつきました。大きな収穫だったと思います。

オーケストラと合唱団が一体となって最後のクライマックスを構築していきます。ここでも、残念なことにピッコロだけが突出して聞こえてきました。各楽器群が互いに混じり合っての交響です。成長を願います。

samon
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見事なオーケストラ、合唱、ソリストの一体となった演奏に触れることができて、本当に幸せな時間でした。今回の演奏で、自分も一度合唱団として第九を歌ってみたいなと思いました。耳は全く聞こえず、さらに病気の進行も進んでいたベートーベンがこのような曲を作り得たというのが奇跡のようです。神の手助けがあったのでしょうか。

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