ギレルモ・デル・トロ監督作品「ブレイドⅡ」押井守著「映画の正体 続編の法則」からのオススメにて鑑賞 徹底したアクションと重厚なストーリー

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samon
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押井守が映画の続編についてインタビュー形式で語る著書「映画の正体」を読みました。とてもおもしろかった。その中からギレルモ・デル・トロの章で「おもしろい!」と押井氏が言っていた「ブレイドⅡ」がアマプラで観れました。全編ノンストップアクション。血湧き肉躍る。

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押井守著「映画の正体 続編の法則」

多くの映画監督ごとの細かい章で書かれたインタビュー形式の本です。押井の論もおもしろいのですが、インタビュアーの博識なことこのうえなし。適切な情報の突っ込みで、押井を刺激し彼の論をよりおもしろく拡張していると思います。

この書籍で特に感じたことは、押井のリドリー・スコットへの信奉です。私も大好きな映画監督リドリー・スコット。「エイリアン」「ブレードランナー」を世に送り出し、80歳を過ぎた現在も、新作を次々に生み出していく、脅威の天才監督です。

押井はリドリー・スコットのことを本の中では「サー」呼びます。これはリドリー・スコットが英国人であり、「サー」の称号をもらったからでしょうが、わざわざそう呼ぶこと自体に、押井のリドリー・スコットへの尊敬と信奉具合が現れています。

押井の尊敬の要因は、「サー(リドリー・スコット)」が、常に自分の表現したいものを生み出していることを語ります。「プロメテウス」と「エイリアン:コベナント」を例に挙げつつ、サーは「異文化との邂逅や対決」を常に描き出そうとしていると語ります。

対比的に、ジェームズ・キャメロンを取り上げ、キャメロンは監督の描きたいものへのこだわりがないと断じます。金を集め、人を集め、そして映画を形にすること自体に情熱を燃やしていると。

「007」の章では、監督は単なるまとめ役で、スタッフの歯車のひとつと語る部分もあります。現代の映画製作システムの有り様を言っていると思います。押井は自身が監督として、様々な体験をしたからこその実感的意見と思います。押井の、映画とは監督の描こうとするものを投入すべしという思想がよくわかります。

ちょっと逸れました。今回は、ギレルモ・デル・トロ監督です。「映画の正体」の中で、押井がデル・トロ作品でおもしろいのは「ブレイドⅡ」だと発言していることから、それを観ることとなりました。単純です。この作品にはデル・トロ監督の描きたかったことがきっと盛り込まれているだろうと思ったのです。アマプラで探すと鑑賞可能です。便利な世の中ですね。

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ブレイドⅡ

あらすじ

ヴァンパイアと人間の混血児であるブレイドは、日夜ヴァンパイアを狩るハンターである。相棒のスカッドと共にヴァンパイア討伐の一環としてプラハに潜伏していた彼は、かつての仲間であり死んだはずのウィスラーがヴァンパイアのアジトに囚われていることを知り、彼を救出する。

ある日、ブレイドたちの拠点に、ヴァンパイアの大君主ダマスキノスの娘ニッサらが侵入、自らを“休戦の使者”と名乗る。困惑し、警戒しながらも彼らとの休戦協定を交わすブレイド。ダマスキノスの居城に招かれたブレイドたちはそこで、ヴァンパイア化の感染源である「アルゴウイルス」が進化した新種ウイルス「リーパー」により現れた「死神族(リーパーズ)」の存在を知らされる。リーパーズの力はヴァンパイアのそれを遥かに凌ぎ、人間とヴァンパイアとを問わず無差別に襲う。両者の脅威になり得る彼らを排除すべく、ヴァンパイア側からの共闘を受諾したブレイドは、ヴァンパイアの精鋭部隊「ブラッドパック」を従え、リーパーズ討伐に乗り出す。

wikiより引用

全編ど派手なアクションの連続ですが、これをしっかり支えているのが、重厚なストーリーにあると思われます。新勢力「死神族」を打ち倒すために、これまで敵同士だったブレイドとバンパイアが手を組むという設定。そして個性的なメンバーが集うバンパイア精鋭部隊の登場と、ワクワクのストーリー展開です。

どんでん返しの仲間の裏切りや、死霊族のボス「ノーマック」の悲しき正体と極悪の黒幕などそのストーリーの重層構造には感動ものです。脚本はデヴィッド・S・ゴイヤーです。彼は大好きな「ダークシティー」の脚本も書いていますね。「ダークナイト」3部作や「マン・オブ・スティール」からのDCコミックの映画化の脚本も。凄い人でした。

精鋭部隊とブレイド達の地下水道での死神族との戦いは、まさに地獄をめぐるようなすさまじさです。その中で、ヒロインニッサ(レオノア・バレラ)の美しさが闇の中で輝きます。容姿とともにニッサのまっすぐな心根は清らかな水のように美しいのです。

スカッドというメカニックが作り出す特殊兵器も魅力的。精鋭部隊が乗り込む特殊車両もいい。こういうメカ趣味が加味されているのが、男の子にはたまりません。

アクションは誰もキレキレですが、特にアクション監督であるドニー・ウェンは、キャストの降板で急遽出演することになったわけですが、彼のアクションは際立ってすばらしい。彼の戦闘服の胸には「雪」の白い文字が浮き上がります。その文字通り、彼のアクション演技は冷徹な切れ味を感じました。

ギレルモ・デル・トロの手腕すごいですね。彼の作品見直してみたくなりました。

samon
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これは観て良かったと感じる1本でした。全編に展開されるアクションとそれを支える重厚なストーリーがよいバランスで結実した作品と言えるでしょう。主役のブレイドだけの活躍でなく、群像劇的なところもいいですね。皆様も興味あれば、ぜひアマプラで御覧ください。口ぱっくりは怖いので御注意を。

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