「パンとスープとネコ日和」ドラマに流れるゆったりとした雰囲気にひたりながら、おいしいサンドウイッチが食べたくなるそんな幸せな時間が過ごせます

Drama
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AmazonPrimeVideoにて小林聡美主演「パンとスープとネコ日和」全4話を観ました。

samon
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ゆったりほんわか気分になれる映像作品です。おいしいサンドイッチが食べたくなります。

あらすじ

出版社に勤める53歳のアキコは食堂を営む母と二人暮らしで、料理専門学校を経営している先生の料理本の出版に携わっています。そんなある日、母が突然倒れて亡くなってしまい、会社の人事異動では経理部への辞令が出るのでした。この二つの偶然が重なって、アキコは思いもよらなかったお店を開くという人生を選択します。猫のタロに癒されながら、相棒のシマちゃんと二人で始めるパンとスープ店の物語。

ara-suji.comさんより引用

キャスト

  • アキコ(小林聡美)
  • シマちゃん(伽奈)
  • 喫茶ハッピーのママ(もたいまさこ)
  • ハッピーの店員ユキ(美波)
  • 花屋のヤマダ(光石研)
  • 駄菓子屋のスダ(塩見三省)
  • 先生(岸惠子)
  • 住職(加瀬亮)
  • ネコのタロ(のぶりん)

キャストは役柄によくはまっていて、それぞれの人物像をくっきりと印象づけてくれます。

中でも、アキコの店を手伝うことになるアルバイトのシマちゃんがとても心に残ります。

シマちゃんと対照的に今時の女の子像としてあるのが喫茶店の店員ユキの存在で、この対比がシマちゃんの存在感をより際立たせています。

シマちゃん

ソフトボールをやっていたという体育会系の女の子シマちゃんは、自分の思ったこと感じたことを、失礼のないように素直に表現できる女の子です。

「失礼のないように」は重要です。相手への気遣いができるということですね。だから、受け取る側も素直にシマちゃんの意見を受け入れることができるのです。人との関わりが必須の現代社会では、大切な力と思いませんか?

最終話で、アキコの店を訪ねてきた住職(加瀬亮)が食事をして帰った後、シマちゃんは言います。

「あの人、アキコさんに似てますね。雰囲気が(似ている)かなあ?」

男性と女性を似ているとはなかなか言えないんじゃないかなあと思います。それをすっと言ってしまう。アキコも全然悪い気はしていない。アキコとシマちゃんの関係性もあると思いますが、素直に言えること、それを受け入れてもらえることって、すごいなと思います。

ストレスの多くが、人と人との関係の中で生まれると思います。シマちゃんの素直さは、それを上手に回避できる大切な力ではないでしょうか。憧れます。

シマちゃんを演じるのは、ファッションモデルで女優の伽奈さん。172cmの長身に、きりっとした表情で小さな顔のすてきな女性ですね。

アキコ

アキコ役の小林聡美さんは、大林宣彦監督作品「転校生」で鮮烈の映画デビューをします。私もこの時からの大ファンです。その後も大林作品に多数出演していますね。しかし、あまり私は観ていませんが。

その後、彼女に再会するのは、荻上直子監督作品「かもめ食堂」です。フィンランドのヘルシンキで小さな食堂をオープンするサチエ(小林聡美)の物語です。

この「かもめ食堂」と本作は多くの共通点をもっています。それは、原作者:群ようこ、キャスト:小林聡美・もたいまさこ、そして女性監督による作品であるからでしょう。むろん小さな食堂を営む小林聡美というのが一番の共通点ですね。

日本とヘルシンキという舞台は違えど、その物語の空気感はとてもよく似ています。

ひとことで言うと「ゆったりと誠実に生きる」ということでしょうか。

小林聡美という役者さんの醸し出す魅力が、この「ゆったりと誠実に生きる」ことにぴったりマッチしているように思えます。

毎日をせき立てられるように生きている人間にとって、彼女の姿には本当にほっとさせられるし、癒やされますね。

小林聡美さんは45歳で大学に入学し、その後大学院に進学しています。演技だけでなく実人生でも、周囲の目など気にせず、自分のやりたいことに向き合って、飄々とそしてまっすぐに歩いて生きている。憧れてしまいます。

エッセイストでもある彼女は、多数の著作を出しているので、こんど読んでみることにしましょう。その生き方に、より共感できる気がします。

モノローグ

さて、最終話の最後で先生への手紙という体で、アキコが一人語ります。

「(母の死に始まる、様々なことがあって)気づきました。今までの自分は、自分自身が不自由にしていたのだということに。先生、わたし真面目すぎました。これからはわたし不良になります。自分が自由になれて初めて人との時間が始まるということに気がつきました。やりたいように、好きなようにお店をやっていこうと思っています。先生、遅れてきた不良のやっている店に、また来てください。何かが変わっていると思います。きっと」

自分を縛っているのが自分自身である。そのとおりですよね。でもその呪縛を解くことができずに、流されていくように生きてしまう。アキコにとっての母の死とお店を始めることというような、大きな変化がなかなか自分に訪れず、毎日じれるような思いで過ごしてしまう。そんな自分に気づいて、ちょっと嫌になっちゃいます。でも、本作が小さな希望になったのも事実でもあります。

samon
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最後はちょっと愚痴めいてしまいましたが、本ドラマ全4話を観ていた時間は、本当に幸せでしたよ。そして、のんびり構えて誠実に一歩一歩あるいていくしかないこと。昨日より今日をちょっとでもよくしていきたいなということ。そんなことを思わせてくれるとても素晴らしい作品でした。どうぞあなたも観てみてください。幸せな時間を共有できると信じています。

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