「となりの億万長者」(トマス・J・スタンリー、ウィリアム・D・ダンコ著 斎藤聖美 訳)読了しました。
億万長者とはどんな人たちなのか?1万人を越えるインタビューとアンケートから判明する意外な姿を、億万長者の言葉を通じておもしろく説き明かしていきます。そして、お金を貯めるには何をすれば良いかの重要な指針が見えてきます。楽しく読める経済書いや人生書と言ってもいいかもしれません。大オススメ!
サブタイトルは「成功を生む7つの法則」です。その7つとは次の通り。
1)収入以上の生活をしない。
2)資産形成のために時間を使う。
3)世間体を気にしない。
4)親からの援助に頼らない。
5)経済的に自立するよう、子供たちを育てる。
6)上手にビジネスチャンスをつかむ。
7)時代にマッチした職業につく。
1)収入以上の生活をしない。
収入より支出が少なければ蓄財が増えていきます。この貯まった分を投資に回すことでさらにお金が自分でお金を増やすこととなります。
これはわかりきったことなのですが、これまで私自身収入と支出をちゃんと把握して、計画的に管理できていませんでした。多くの人が、もしかしたらそうかもしれません。入った分はどんどん使う。江戸っ子じゃないですが、「宵越しの金はもたねえ」みたいな。
この本に登場する億万長者の合い言葉は「倹約倹約倹約」。彼らは収入よりはるかに低い支出で生活しているのです。
1000万ドル(10億円)をゆうに超える資産を持つミスターバドに「1970年のボルドーはいかがですか?」と問うたところ、彼の答えは、次の通りでした。
私はスコッチかビールしか飲まんよ。ビールは2種類。バドワイザーかタダでのめるやつ。
P48
倹約の反対の言葉は「浪費」ですが、私はこの機会に自分の生活を見つめ直して、「浪費」を減らしていくことを考えています。そのためにも、自分の収入と支出を把握して、計画的に生活していくことが大切だと感じます。家計簿アプリの「マネーフォワードME」を始めて数ヶ月となります。1月の生活費が見えてきました。
彼らは予算を立てて出費をコントロールしたからこそ億万長者になれたし、今も裕福にくらしているんですよ。
P66
5)経済的に自立するよう、子供たちを育てる。
子供が不自由ない良い暮らしができるようにと子供に金を与えることが、実は子供をダメにしていることが力説されます。
経済的援助を与えれば与えるほど子供は資産を蓄えず、援助が少なければ少ないほど資産を蓄えるようになる。
P230
しかし、子供を支援しようと思うのは親心です。ではどんな支援をすれば良いのでしょう。本書では、「教育」を与えよ、と言います。学校を卒業してしまうまでは、よりよい教育にお金を惜しまない。そして、自分で働き稼ぎ出したら、お金の援助はしないということです。
「お金の大学」の両学長もよく言う、「魚をあたえるのでなく、魚の取り方を教えよ」も同じ事ですよね。「教育」を与えよ、大切にしたい人生訓ですね。
お金を援助することで、子供はそれに依存してしまう。いつしか、親の資産を自分のものと考えてしまうというのです。ですから、決して親の資産額を教えてはいけない。親が金持ちと思わせないことが重要と言います。
インタビューに出てくる、資産家の子供は「親が金持ちって知らなかったよ。だって、普通だったからね」と話します。むろん、この子が成功したのは言うまでもありません。
このほかにも、本書は自動車の選び方について、かなりのページ数をさいています。具体的な車種や選び方などが詳しく書かれています。著者は自動車が好きなのかも知れませんね。むろん、億万長者は、高級輸入車などには乗っていないですよ。世間体を気にしていてはお金は貯まりませんからね。億万長者がよく乗っている車はアイキャッチの「ジープチョロキー」らしいです。
皆さんも、示唆に富んだ楽しい本書をぜひ手にとってみてください。大オススメ!
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