U-NEXT「ラヴクラフトカントリー」第3話を観ました。以下ネタバレに触れます。
第3話「聖なる亡霊」
お化け屋敷ものである。レティーシャは、「家を買った」と姉を新居に連れてくる。13室もある巨大な家で、エレベーター付きだ。最後にこのエレベーターが意味をもつ。そう、エレベーターはどこまでも上れるし、どこまでも下っていける。多くの部屋を下宿屋として黒人たちに解放するが、そこは白人の町であり、黒人差別が始まる。黒人差別がこの物語の暗い底流となっている。嫌がらせの方法は、家の前に車を数台駐車させ、クラクションに煉瓦をくくりつけて、いつまでもクラクションを鳴らすという騒音作戦だ。通報しての警察は黒人の訴えを取り合わないのだろう、窓を閉めることでレディーシャたちは我慢する。朝鮮戦争のことも触れられる。朝鮮戦争の作戦に「騒音」と「暑さ」があったそうだ。この物語のもう一つの底流には「朝鮮戦争」も流れているようだ。
お化け屋敷ものの通例の除霊者が登場し、地下の黒人の霊たちを沈めようとする。物語のクライマックスだ。しかし、失敗し除霊者は排除される。ところが、本当にこの家を忌まわしいお化け屋敷にしていた人物の霊が別にいたのだ。それこそ除かねばならぬものである。何とレティーシャは殺された黒人の霊たちと手をつなぎ、真の忌まわしき霊を除こうとするのだ。この二重構成が見事だ。そしてこの真の忌まわしき霊が「ラヴクラフト」の世界(アーダムで体験した秘密結社の物語)とつながっていたというわけだ。見る者を飽きさせない見事なストーリーに感心させられる。
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