エドガー・ライト監督作品「ラストナイトインソーホー」(TOHOシネマズ長崎1番スクリーン)初日観てきました。この映画は観る前提が少し必要になる。英国のSOHO地区は特殊(現在は薄れたらしいが)で、高級ショップ街の中にとんでもなくいかがわしい通りがあるというものだ。銀座で1本道を入ると歌舞伎町があるような感じらしい。さて、映画だ。田舎からロンドンのデザイン学校に出てくるエロイーズが巻き込こまれるホラー映画だ。エロイーズが夢でシンクロする60年代のサンディ(アニャ・テーラー・ジョイ)が非常に魅力的だ。目力に魅了される。歌手を目指す彼女がオーディションシーンで歌う「恋のダウンタウン」が非常に心打つ。その後の彼女の悲惨な将来を思うと、「つらいことがあったらダウンタウンに行って癒やされよう」という歌詞に泣かされる。エンディングはサンディのウインクにさわやかに映画館を出られる。ホラーシーンは古典的な演出で懐かしい感じ。手が一杯出てくるの久し振り。この映画で印象的なのは、やはり60年代のポップスの数々だ。ホラー映画なのにおどろおどろした部分があまり感じないのはこの音楽のせいか。冒頭に「ダイアナに捧ぐ」の献呈の文字が出る。ダイアナは出演しているダイアナ・リグである。彼女は重要な役回りだ。この映画、ホラーであり、タイムスリップものであり、音楽映画であり、そして青春映画でもあるという欲張りな作品だ。オススメ。
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