NHKドラマ「立花登青春手控え2」第2話「幻の女」を観ました。つらい人生だからこそ、若い頃に好きだった女を思い出してしまう。そのたった一人の幻の女を胸に生きていく。立花登は、島流しになる罪人の巳之吉を治療したことから、幻の女おこまを探し、悪所たる深川の岡場所をさまよう。
我が故郷は今でこそ遊興の里がない土地がだだが、やはりその昔は丸山ほか多くの遊郭が各所にあったのだ。生家の近くにも幼き頃はその片鱗を残す家屋が多くあった。今はもうないようだ。この色里の風情には憧れてしまう。立花登が彷徨った深川の映像を観ながら、その思いが強く立ち上った。
ドラマは幻の女が皮肉にも、すぐ隣の牢にいたという悲しい結末だが、立花は巳之吉にそれを知らさず、島へと旅立たせる。残された女おこまの哀れさが強烈に印象づけられて終わる。藤沢周平の物語にしびれる1話だった。
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