3年ぶりのオーディオフェア(後編)イタリアの工芸品であり楽器もあるスピーカーや電源のコンディショナーなどを紹介します

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samon
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後半は、ソナスの名機とISOTEK(アイソテック)のクリーン電源、最後にB&W801D4などを紹介しますよ。

ソナス・ファベール

ソナス・ファベール社は、1980年に北イタリアの町ヴィチェンツァで創業されました。ラテン語で「音の工房」を意味するその社名に相応しい仕事場は、自家ワイナリーに囲まれた静かな空間で、精密な木工技術と感度の高い職人の技巧により創造性豊かなオーディオ製品を生み出しています。
創業者のフランコ・セルブリン氏が2005年に同社を去るまでは、小規模な工房で芸術品のようなスピーカーを生産していました。しかしその後に大きな資本が入り、フランコ・セルブリン氏を師と仰ぐパオロ・テッツォン氏に引き継がれます。それ以降、価格帯も幅広いラインナップが発表され、世界中でいっそう高い評価を受けるブランドに成長しています。
ちなみに日本のデビュー作は1988年発表のELECTA AMATOR(エレクタ・アマトール)で、その後も色々なモデルを登場させ高い人気を維持しています。

ここから引用

「ソナス・ファベールは、スピーカーを楽器としてとらえています」とプレゼンターは語っていました。ひとつひとつ手作りの芸術品という感じですね。以前は高価で夢のスピーカーでした。しかし、現在はフラッグシップの「アイーダ」から10万円以下の「ルミナ」まで、広大な幅の商品展開となっています。

上の引用にも記されていましたが、ソナス・ファベールの日本デビューしたスピーカーが「エレクタ・アマトール」です。今回のフェアで聴いたのはその後継機「エレクタ・アマトールⅢ」です。

ブックシェルフです。ところが、とんでもない音が飛びだしてきて、びっくりしました。作りは無垢の木材(今は少ないそうです)のエンクロージャ側面に、全面のバッフルにはレザー、そして下の白い部分は「石材」です。プレゼンターは「ダビデの像とかの石です」と言ってました。

アマトールを駆動するのは、ドイツのアンプ「ブルメスター」911MK3というパワーアンプです。

シルバーの全身放熱板のようないかつくクールな見かけとはうらはらに、しなやかで温かい音を奏でます。むろんアマトールの楽器としての音色が加わってのことではあろうと思います。

この2つの名機のタッグで奏でる音の芳醇で、なおかつ臨場感に富むことまさにこの上なし。素晴らしい音源ソースも教えてもらいました。キース・ジャレットの「マイソング」です。キースの繊細なピアノのアルペジオの上に、すてきなサックスの音色がのってきます。誰もが好きになるメロディックな楽曲です。これは、ぜひともアナログで手に入れたいですね。

プレゼンターが最後に紹介してくれたのが「交響曲集」。といってもジブリの音楽のオーケストラ化ですね。「えー陳腐な」と思いがちですが、プレゼンターが自信をもって紹介するその演奏は、実に壮大で弦の響きの奥深さが素晴らしい。それもそのはず、演奏はチェコフィルとのことでした。これも欲しいなあ。ちなみに曲は「もののけ姫」でした。

ナスペック

株式会社ナスペックのプレゼンです。この会社は、英国のROKSAN(ロクサン)、モニターオーディオ、ISOTEK(アイソテック)、KIRMUSS AUDIOなど英国のオーディオメーカーの代理店です。

写真にあるように、マイケル・ジャクソンの「スリラー」のオリジナルアナログ盤を大音量で聴かせてくれました。細かいエフェクト音まで明確でした。

このプレゼンでおもしろかったのは、黒いアンプの下や右にある銀色の筐体の機器です。これはISOTEK社のクリーン電源です。

電源は通常は壁のコンセントから取りますが、その電源には多くのノイズが混ざり込んできます。電子レンジやテレビ、パソコンなど様々な生活家電などが出すノイズですね。また、近年は携帯電話やwifi、bluethoothなどの電波も混ざり込んできています。つまり電気がどんどん汚れているイメージです。これをクリーンにするのがクリーン電源です。ISOTEKは電源の専門メーカーです。

マイケルの右の、高さがあるのが「V5 TITAN」で、右のラックの一番下が「V5 AQUARIUS」とうふうに神様の名前がついてます。自信の表れでしょうか。ISOTEK社はクリーン電源と呼ばず、「電源コンディショナー」と呼んでいるようです。クリーン電源というと何となく、いろいろの成分がそぎ落とされて、音がやせるイメージはありますね。実際に従来のクリーン電源は音がやせてしまう傾向にあるようで、本機はそれを回避しているのがメリットとのこと。

このコンディショナーを通すのと通さないので比較試聴の実験がありました。比較実験は大好きです。「へー」という驚きと発見がありますもの。曲はヴィバルディの四季の一曲でした。バイオリンの弱音がだんだん大きくなって全合奏からソロと移行していきます。

まず、コンディショナーを通した場合、同じボリウムでも、音を大きく感じます。たぶん静けさが加わったからでしょう。さらに、楽器の音が明瞭で見通しがよくなります。コンディショナーを外すと、もやが一枚かかったようになります。確実に効果はありますね。費用対効果は、個々人の感じ方でしょうが、私のような貧乏人はちょっと手が出せません。

B&W D801D4

最後はB&Wのモニタースピーカー最新シリーズD4ラインの伝説の型番復活801D4を聴きました。現在のフラッグシップです。すると上位の800が出るのかと疑ってしまいますが、今のところ計画はないようです。私の802はD2ラインですので、ずいぶんと世代は進みました。でも、D2をまだ当分味わっていきますけれどね。

「数百にも及ぶ細部の改良といくつかの革新的な技術を組み合わせることにより、Bowers & Wilkinsがこれまでに作り上げてきたスピーカーの中で、最も透明感が高く、高精細で自然なサウンドを実現した」とB&Wがいうように、6年間をかけて進化させてきたフルモデルチェンジです。

このときちょうど友人がやってきて、視聴に集中できなかったようで、音の印象はあまり覚えていないのが残念。

ただし、プレゼンターの話で驚いたのが、上の写真の左側に写っている「ファイアバード」というスピーカーケーブル。何と、本体スピーカー価格と同じ位らしい。801D4の価格はペアで520万円を超えるので、それと同じ位の値段のケーブルって・・・。もはや一般人の世界ではないようです。

samon
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3年ぶりのオーディオフェア、堪能させてもらいました。とても幸せな時間でした。フェアでいい音を聴いて刺激をもらうと、自分のオーディオ装置の音が聴きたくなるんですよね。夏の暑さで、オーディオ室に入るのも億劫になっていたのですが、自分の音を確認したいと思いました。そして、オーディオフェアのもうひとつの楽しみは、いいオーディオソースに出会うこと。今回はチャーリー・ヘイデンやキース・ジャレットの音源に出会いました。福岡のマックスオーディオさんありがとう。来年もまた来てね。

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