NHK-BSクラシック倶楽部「チェクナヴォリアン バイオリンリサイタル」透明感に驚愕

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samon
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若き男性バイオリニストのリサイタル。はたして。

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結論

その端正な音楽表現に引きこまれてしまう、期待の若手バイオリニストの登場だ。

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概要

エマニュエル・チェクナヴォリアン バイオリン・リサイタル
共演:マリオ・へリング
収録:2019年12月1日 ハクジュホール

ヴァイオリン・ソナタ 第5番 ヘ長調 Op.24「春」 (ベートーヴェン)
ウィーン風狂想的幻想曲 (クライスラー)
華麗なるロンド ロ短調 D895 (シューベルト)
アンコールは愛の喜び(クライスラー)

エマニュエル・チェクナヴォリアンは1995年に指揮者の父とピアニストの母を両親に持つウィーンの音楽一家に生まれ、アルメニアに育つ。7歳でオーケストラとデビューを果たす。2015年シベリウス国際コンで第2位及びを受賞、及びベスト・シベリウス演奏賞を受賞。使用楽器は、ベアーズ国際ヴァイリン協会から貸与された1698年製ストラディヴァリウス。ゲヴァントハウス管やサンクトペテルブルク・フィルなど共演多数。2017年12月、ソニー・クラシカルからデビューアルバム「SOLO」をリリース。このCDが注目を集め、2018年10月には新設されたOPUS Klassik賞を錚々たる演奏家とともに受賞。2017年9月からは、オーストリアのラジオ番組で、毎月1回「Der Klassik-Tjek」というタイトルの自身のラジオ番組のパーソナリティを務めている他、北ドイツ放送、バイエルン放送や独仏共同出資のテレビなどにも出演している。

ネットより引用

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感想

ベートーベンの「春」ソナタはそれはもう良く演奏されるので、少し食傷ぎみであったのですが、チェクナヴァリオンの初めの1音から引きこまれます。非常にボウイングが美しい、故に出てくる音がとんでもなく透明感に満ちているのです。

上体はあまり動かず、まっすぐな姿から出てくる音は姿同様端正そのもの。聴いていて見ていて、非常に心地が良い。

ピアノとのシンクロも完璧で、音楽を完全に手中に収めている感があります。だから何ら無理がなく、スムーズに音楽が聴く側の心に入ってくるのです。

この曲はたいてい1楽章だけ聴いて飛ばしてしまうことが多かったのですが、彼の演奏では全楽章聴かされてしまいました。

クライスラーの「ウィーン風狂想的幻想曲」はクライスラー晩年の作品ですが、活き活きとした曲で特に重音が印象的な曲でした。

チェクナヴァリオンの重音は気負いがなく実に自然で流麗です。楽々と演奏するので聴く方は安心してウィーンの風に吹かれることができます。

シューベルトの「華麗なるロンド ロ短調 D895」も作曲者が亡くなる1年半ほど前に作られた作品。チェクナヴァリオンのインタビューではこの曲は晩年に生まれた異色作的なことを言っていました。

私はシューベルトは長いのでちょっと苦手なんですが、この演奏はデモーニッシュな魅力があり引きこまれました。

アンコールはクライスラーの「愛の喜び」ウィーンの雰囲気十分の端正な演奏。とてもすばらしい。

samon
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とても好ましい実力派の若きバイオリニストの誕生を心より歓迎します。これから要注目です。

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