50作目

Movie
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山田洋次監督作品「男はつらいよ おかえり寅さん」(AmazonPrime)を観ました。これまでの作品を上手に切り取って、過去の寅さんを登場させながら、今も生きるとらやの人々を背景に、満夫と泉の再開の物語を描く。残念だった2点(冒頭の桑田佳祐のテーマソング歌唱と泉の父親が寺尾聰でなかったこと)をのぞけば、いつもの寅さん映画の雰囲気をうまく描いて、いつものようなほっとしてじんとくる作品に仕上がっている。特に泉の母親(夏木マリ)の名演技を受けてうまくいかなかった夫婦、満夫の死に別れた夫婦、泉の故郷を遠く離れた夫婦、さくらと博のうまくいった夫婦など様々な夫婦の姿が万人の心に共感を生むだろう。また、高齢になったキャストが多い中に、満夫の娘ユリ(桜田ひより)として若手女優を配して、年寄り臭くならぬようにしている。新しいキャストに池脇千鶴を置いて、泉と別れたあとの満夫の幸せな将来も感じさせるようにして映画は終わる。何より、映画のラストに過去のマドンナたちの美しい姿が次々に出てきて、マドンナたちを幸せにした寅の存在を強く印象づけて終わっていく。エンドタイトルの歌は渥美清だ。やはりこれだ。これでなくっちゃ。エンドタイトルの最後には鬼籍に入ったおいちゃんおばちゃん、カメラマンらにこの映画が捧げられる旨がしめされ、ひとつのすばらしい映画シリーズが本当に終わってしまう寂しさを感じさせる。でもこれでよし。

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