高田郁 著「あきない世傳 金と銀」第13巻 ついに完結 12月からNHK-BS小芝風花主演でドラマも始まる 特別編上巻「契り橋」も発売

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結論

信じていた者の裏切り、迫りくる火事。幾多の荒波を乗り越えて、源流からついに大海に漕ぎ出した主人公「幸」と彼女を取り巻く人々が燦然と輝く最終巻。必読必涙の一冊。読むべし。

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概略・あらすじ

宝暦元年に浅草田原町に江戸店を開いた五鈴屋は、仲間の尽力を得て、一度は断たれた呉服商いに復帰、身分の高い武家を顧客に持つことで豪奢な絹織も扱うようになっていた。
だが、もとは手頃な品々で人気を博しただけに、次第に葛藤が生まれていく。
吉原での衣裳競べ、新店開業、まさかの裏切りや災禍を乗り越え、店主の幸や奉公人たちは「衣裳とは何か」「商いとは何か」、五鈴屋なりの答えを見出していく。
時代は宝暦から明和へ、「買うての幸い、売っての幸せ」を掲げて商いの大海へと漕ぎ進む五鈴屋の物語、いよいよ、ここに完結。

ネットより引用
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感想

前半の白眉。吉原での「衣装競べ」。呉服屋各店が花魁に絢爛の衣装を纏わせ、どれが一番か投票で決するという胸アツの舞台設定です。

「衣装競べは長月朔日(1日)。灯点し頃、篝火が焚かれるのを合図」としてスタートします。真っ赤な夕日が落ちた後、こうこうと焚かれる灯の中での着物の勝負。何ともイメージを刺激します。

町の端から端まで敷き詰められた緋毛氈の上を歩いていく遊女。読者それぞれが頭の中に想像する小説世界だからこその得も言われぬ美しさがあります。

我らが「五鈴屋」は、地味な顔立ちの芸者「歌扇」をコーディネートします。さて、勝敗はいかに。

後半には味方と思っていた者の裏切り、そして江戸の恐怖である「火事」がクライマックスとして用意してあります。

そして最後の最後にあの裏切り者が、意外な正体を見せ(やつならそこまでやると腑に落ちます)ることに。

妹 結との決別もさわやかにして、結を一人の大人の女として扱うくだりも素晴らしいです。

最終章「金と銀」での兄と見たあの川の金と銀が、今度は賢輔ともに再現されます。そこで、主人のために全力で尽くす奉公人と、その奉公人を守ろうとする主の姿が描かれます。今の世の中に薄れているような主従の関係が輝く、最高のシーンとなっています。

そしてラストシーンは感涙必死。16年前の貧しい母子の再来。「いつかこの店で反物を買いたい」と願った母と「お待ち申し上げておりました」と迎える店の者の集合が、いつまでも忘れられない記念写真のワンシーンを形成して、見事に物語は幕を閉じます。ほんと、涙がこぼれました。

高田郁

兵庫県宝塚市出身、中央大法学部から法律家めざし、司法試験に挑戦するも失敗。川富士 立夏(かわふじ りっか)のペンネーム漫画原作者としてデビューします。

幼少期より父の本棚にあった山本周五郎の小説に親しんでいました。

40代半ばにして読み返した山本周五郎の短編「なんの花か薫る」に衝撃を受け、「こういうものが書けるようになったらもう私は何もいらない」と時代小説の執筆を決意[5]。数年後、網膜に孔が開いたことを契機に、「今、転身しないと後悔する」と時代小説作家へ転身する[4]

wikiより引用

2009年に刊行をスタートし、10巻で完結した「みおつくし料理帖」は累計300万部を超える大ヒットとなりました。私もこのシリーズでファンとなりました。

黒木華主演のNHKドラマも大好きです。これより以前に北川景子主演でTVドラマ化しています。また角川春樹監督、松本穂香主演で映画化もされています。両作品は未見です。映画版では野江役を奈緒がやっているのでちょっと興味はあります。角川春樹監督というのは引っ掛かりますが。

そして2016年に本シリーズ「あいない世傳 金と銀」がスタートします。2022年13巻で完結。これまた、次の巻が待ち遠しいシリーズでした。

ドラマ化・特別編

13巻の楽しみも完結し、「幸LOSS」「菊栄LOSS」になりそうですが、うれしいニュースが舞い込みました。

12月8日からのNHKのBS時代劇でドラマ化されることになりました。幸役は小芝風花ちゃん!

幸の波乱万丈な人生の中でも、五鈴屋に女衆として入り、放蕩者の四代目徳兵衛の後添いになるあたりが描かれそうですので、若い風花ちゃんはばっちりです。

「みおつくし料理帖」のときも特別編が出されて、読者を喜ばせてくれましたが、本作でも上下2巻の特別編が刊行されました。もう少し楽しめる!

まずは上巻が8月に発売されました。

シリーズを彩ったさまざまな登場人物たちのうち、四人を各編の主役に据えた短編集。五鈴屋を出奔した惣次が、如何にして井筒屋三代目保晴となったのかを描いた「風を抱く」。生真面目な佐助の、恋の今昔に纏わる「はた結び」。老いを自覚し、どう生きるか悩むお竹の「百代の過客」。あのひとに対する、賢輔の長きに亘る秘めた想いの行方を描く「契り橋」。商い一筋、ひたむきに懸命に生きてきたひとびとの、切なくとも幸せに至る物語の開幕。まずは上巻の登場です!

ネットより引用

13巻の最後の最後に最高にかっこよく物語を締めくくった「惣次」の物語。気になりますねえ。さっそく図書館に予約です。

samon
samon

どんなエンディングを迎えるのかと楽しみでした。裏切らない最高のラストシーン。小説って素晴らしいって感じさせてくれる本です。まだの方は、ぜひ全巻お楽しみください。TVドラマも待ち遠しい!

コメント

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