首藤瓜於 著「アガタ」所轄刑事の丹念な捜査の様子を丁寧に描いていく不思議なバランス

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samon
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「アガタ2」を先に読んだのですが、はたして第1作は

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結論

ぐんぐん読ませる刑事達の丹念な捜査描写。風のように現れてすべてをひっくり返して突然解決に至る不思議なバランスの作品

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概要・あらすじ

1956年栃木県生まれ、上智大学法学部卒。会社勤務等を経て、2000年に『脳男』で第46回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。他著に『事故係 生稲昇太の多感』『刑事の墓場』『指し手の顔 脳男2』『刑事のはらわた』『大幽霊烏賊 名探偵面鏡真澄』『ブックキーパー 脳男』がある。

ネットより引用

「見えているのに見えないもの、それを捜すのよ」オシャレすぎる女性警視が新米刑事に突きつけた言葉の意味は?美大に通う女子学生が背中をめった刺しにされて殺された。しかし、指紋も足跡もなく、防犯カメラの映像も残っていない。 警視庁の捜査一課に異動したばかりの青木一は捜査本部に呼ばれ、地元の有力者の息子がストーカーだったという噂を耳にして、無断で本人に接触したため管理官から大目玉を食らう。一方、鵜飼縣は警視庁本部庁舎の片隅であらゆる犯罪情報を収集分析して汎用性の高い検索システムを構築している。スタッフの桜端道が投資詐欺事件の情報をつつきまわすうちにたどり着いた謎の闇サイトには殺人現場の生々しい写真が。縣は秘かに美大生殺害事件の捜査の進み行きを探り始める……。

googlebooksより引用

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感想

「アガタ」の作りは「アガタ2」に酷似しています。主人公たるアガタこと鵜飼 縣の活躍が中心というよりも、立ち上がった捜査本部の警視庁からの管理官、捜査一課の新人青木と上司片桐、所轄の捜査員らの調査の様子が丹念に綴られます。

それにスパイスのようにアガタと部下のハッカー道(みち)の活躍がまぶされる感じです。東大文学部卒のノンキャリア新人青木はアガタ2でも登場します。また2で重要な役割を果たす変わったアメリカ人レイチェル・キーンが本作で登場。始終着物を着ている外人です。彼女の正体は2で詳しく語られます。

アガタと道の警視庁の地下にある部署「与件記録統計分析係」の設立に関して警視庁刑事部長の二階堂の口から分かりやすく語られます。警察に残るこれまでのアナログデータをデジタル化するのがその係の仕事です。その過程で、本作の女子大生刺殺事件の容疑者が浮かび上がってくる。

しかしアガタ達には捜査の権限は全くなく、たまたま情報が引っかかってきただけのことという取り扱いが微妙でおもしろい。

本作も「アガタ2」同様に本の残りの紙幅がかなり少なくなっても、事件が解決しない。そして突然にがーっとすべてがあっと驚く展開で話がたたまれます。この感覚は独特です。

それまで全然出てこなかった「人身売買」事件が突如出てきてその巨悪をアガタがどっかんとひっくり返してしまう。物語の中に出てくる刑事達もこの展開に驚愕するのですが、読者も刑事達同様の渦に巻き込まれ突然終わる感じです。

この感覚を受け入れられるかいなかが本作の好き嫌いを決定するような気がします。

途中の刑事達の捜査の描写はぐんぐん読ませます。ページが進んでいく快感はあります。

samon
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この不思議なバランスが本作の魅力でもあります。私は楽しめましたよ。よかったらお読みください。

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