クラシックのコンサートに行ってきました。コンサートは通常に戻ってきています。嬉しいですね。
音楽の仲間たちがたくさん出演するアマチュアオーケストラの定期演奏会に行ってきました。その技術の向上にびっくりしました。上手になってるなあ!
長崎交響楽団
長崎を代表する歴史のあるアマチュアオーケストラです。
昭和45年長崎港開港400年記念に合わせて、渋谷亮三氏、寺崎良平氏、松本寛三氏、谷口豊氏などのご尽力のもと、旧長崎交響楽団、弦楽合奏協会、管弦研究会のメンバーを中心に編成し、長崎県教育委員会文化課および長崎市のバックアップを得て同年7月7日に発足総会を開催しました。
長崎交響楽団HPより引用
50年以上の歴史をもつオーケストラですね。今回の定期演奏会も何と「第96回」というもの。記念の100回も間近ですね。
私も以前在籍しており、アマチュアオーケストラでは珍しいオペラの公演やアメリカ遠征など大変いい思い出をつくらせてもらいました。感謝してます。
驚きの技術の向上
定期演奏会の一曲目はブラームスの「ハイドンの主題による変奏曲 作品56a」です。これ「a」となっているのは「b」があるわけで、管弦楽版が「a」2台ピアノ版が「b」です。家庭でも楽しめるようにピアノ版も作ったのでしょうか。2台ピアノがある家庭はあまりないか?
冒頭のオーボエをはじめとする木管楽器の音がすばらしいです。ふくよかで聞き惚れてしまいました。ホルンも美しく支えています。
変奏曲に入って、弦楽器が動き始めますが、少しはっきりしない感じはしました。
しかし、曲が進むにつれて、弦楽器の鳴りもよくなっていき、心配は杞憂でした。友人の楽団員が「難しい」と言っていた速い三連符が続く変奏曲でも、特に破綻を感じさせません。「すごいじゃん!」心の中で叫びましたよ。
最後までこの上品な曲を、とても丁寧に演奏していました。この楽団の技術の向上に驚きました。音色のよさのすばらしさを感じました。みんながんばってるなあと感動もひとしおです。
チャイコフスキーの第五番
休憩を挟んで、メインプログラムはチャイコフスキー作曲「交響曲第5番 ホ短調 作品64」です。
4月に隣の市の諫早交響楽団が演奏した演目です。あのときの、名演奏が思い出されます。さて、長崎交響楽団はいかに。
冒頭のクラリネットの陰鬱な主題。とてもいい音でした。クラリネットの木の音色を十分感じさせる深々とした音です。大学オケで一緒だった友人が奏してました。これまた嬉しいことです。
主旋律をファゴットが奏し始めます。諫早のくっきり感と異なり、まろやかな流れを作っていて、クラシックの表現の多様さ・おもしろさを感じさせてくれます。
弦楽器群ももう楽器がよく鳴っていて絶好調です。特にバイオリンの音色の美しさには驚かされます。みんな高い楽器を使ってるの?とか思ったりして。いやいや練習修練のたまものなのでしょう。弦楽器各セクションでとてもまとまっているし、へこんだパートが無いように思いました。確実にうまくなってますねえ。
2楽章冒頭のビオラ以下の弦楽器による重厚な響き。とくにビオラセクションの音がよく響いていて、ビオラってここまで主張できるのだと感心しました。
引き続くホルンのソロは、少し元気はなかったものの、大きなミスも無く最後まで頑張って吹いていて安心しました。
すぐにホルンの旋律を引き継ぐチェロセクションの響きはどうでしょう。いやあよかったですね。音も美しいし、セクションの一体感がありました。最後の引き切りもよかったなあ。とてつもなく上手になっていますね。感動です。
そして、終楽章の壮大な盛り上がりを的確な技術で演奏しきってくれました。金管楽器の瑕疵もほとんど感じられず、トランペットもいい音程でミス無く演奏されました。トロンボーン3本のアンサンブルのよさもびっくりしました。チューバの存在感も十分でした。
会場からは「ブラボー」の声もあがり、万雷の拍手はいつまでも続きました。
音楽の仲間たちも、満足そうな顔でした。よかったです。セクションごとに頑張りを讃える写真を紹介しましょう。
スポイルするもの
演奏が終了して、帰りのバスの中で演奏を反芻しました。どうしても4月に聴いた同じ曲の演奏と比べてしまいます。
オーケストラの技術も音色も、そして規模も今回の方が勝っているのではないかと思います。
ところが演奏から受ける感動の大きさとなると、それが逆転してしまうのです。なぜなのだろう。
素人ながらに考えるのは、ホールの響きのことです。4月の演奏はどちらかというと響きが少なめの会場でした。
今回は2000人以上入る大きめのホールで、響きが深めです。
5月に聴いた長崎唯一のプロ室内オーケストラの会場は、響きが乏しい場所で、そのときは「もっと響きがある会場だといいのに」との感想をもったのを覚えています。
ホールの響きは重要なのですが、今回の会場の響き方は、私には「感動」の振れ幅をスポイルしてしまうように思えました。
だから、チャイコフスキーの2楽章や4楽章のものすごい高揚感が、まるでその頂をやすりでこすって平均化され、下にも上にも幅がせまくなり、中庸におさまってしまっているように感じたのです。
素人の見立てです。真実はわかりません。
ただ今更ながらに、長崎の音楽ホールの残念さを感じてしまいました。
現在新しい市役所の建設が進んでいます。そちらに市役所が移転すると、市役所跡地ができ、そこに新たな音楽ホールができるという噂があります。実行委員会が動き始めているそうです。
何とか長崎に良質の音楽ホールができることを希望します。そうすれば、もっといい演奏がたくさん実現され、演奏家たちもたくさんやってきて、長崎の人々に音楽のすばらしさが享受されるでしょう。未来にとても期待します。
何か最後愚痴っぽくなってしまいました。とまれ、長崎市のアマチュアオーケストラ「長崎交響楽団」が進化していることに間違いはありません。次回の演奏は12月の「第九」とのこと。再びの名演奏を待っています。本当にお疲れ様でした。
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