長崎のカフェ・喫茶店探訪 茜屋(あかねや)

cafeAinolaへの道
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長崎市諏訪町にある「茜屋(あかねや)」です。市民会館の裏から中島川を高い石橋を渡って、寺町に向かう途中にあります。キーコーヒーの懐かしい看板が出てるのですぐ分かります。

samon
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この店は、不思議なトリップ感があります。ゆったりとした時が流れ、少し子供時代に戻るようなそんな雰囲気があります。また行きたいお店です。

私は午後4時くらいにお店に入りました。ウイークデーでもありランチタイムを過ぎていたせいか、私がいた時間は、ほかのお客さんは誰も来ず、貸し切り状態を楽しみました。

初めて入るお店の常として、ブレンドコーヒーを注文します。そう、店内はカレーのいい香りがしていたのですが、お腹は減っていないので、ここはブレンドです。

壁面の一部はコミックで埋められています。しかもここのコミックにはちょっとこだわりを感じます。圧倒的に多いのは荒木飛呂彦の作品。ジョジョシリーズは、スピンオフのものまで並んでいます。松本大洋に伊藤潤二もあります。

私が選んだのは山川直人の「コーヒーもう一杯」の第1巻。もちろん初めて手にするものです。太い輪郭線とデフォルメの効いた登場人物は親しみ深いものです。決して手を抜かない丁寧な作画と空白が無い書き込みに作者の思いが溢れてます。スクリーントーンは使わず、手書きの線で影まで書き込まれています。

絵だけで無く、物語も1話完結で、抒情的で余韻のある話ばかりです。どの話にもコーヒーが関係します。第1話は作者の自伝的な色合いも感じました。

おっと、喫茶店探訪が漫画の話に深入りしそうでした。お店に戻しましょう。注文後、豆を挽く音がしてきましたので、ちゃんと1杯ずつ淹れてくれそうです。

届いたブレンドは、大きめのカップでしかもなかなか長崎らしいものに入っていました。これはうれしいですね。白いカップもいいんですが、こちらの方がぐんと趣が増します。

うん、おいしい。「トアルコトラジャの豆を使ってます」とメニューに記されていました。自慢のコーヒーなのでしょう。

もともとはオランダ領であったトラジャ地域で栽培されたコーヒー豆は高品質で、オランダ王室でも御用達になるほどでした。しかし第二次大戦が始まると栽培どころではなく農園は荒れ果て、トラジャコーヒーは死滅したと思われたため幻のコーヒーと呼ばれました。 このコーヒー豆は数10年の時を経て「キーコーヒー」の手で復活!トラジャ地域でしか生産が難しく、生産量が少ないため、今でも幻のコーヒーと呼ばれています。

macaroniさんから引用

幻のコーヒー豆をキーコーヒーが復活させたわけですね。キーコーヒーの看板コーヒーというわけです。

さて、音響等はどうでしょうか?壁の上の方に、レトロな木の斜め格子の入ったスピーカーが1つあります。そこから出る音は、小型ラジオの音のように薄く、ハイファイ感とは縁遠いものです。

しかし、そこから流れてくる音楽は、何とも不思議なもの。何? 歌の無いインストですが、音楽の傾向は様々です。面白いことに、不快でなく、スーッと自分の中を通り過ぎていくそんな感じです。

少しマスターと話をしました。もともと大橋で喫茶店をしていたが、こちらに移って8年ほど。現在の店舗がもとは「お蕎麦屋」さんだっとらしい。それで、喫茶店らしからぬ佇まいが醸されているのですね。

例に音楽について尋ねると、「これは著作権フリーのネット上の音楽を流してます。なぜかっていうと、自分のCDとかを流すと、それだけでJASRAC(ジャスラック:日本音楽著作権協会)から年間6千円ほど請求されるから」とのこと。

この事実は初めて聞きました。日本の喫茶店は69,983軒(2010年)あるとのことだから、7万軒として7万×6千円=4億2千万も日本音楽著作権協会は儲けてると言うことでしょうか!

あの不思議な音楽は、よくユーチューバーさんが動画の背景に流しているあれだったのですね。ははあ面白い。音楽だけ取り出して聴くと不思議感がたっぷりでした。

samon
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また来たくなるお店「茜屋」。今度はメインの焼きカレーをいただきにきたいものです。みなさんもぜひ尋ねてみてください。不思議なトリップ体験を味わえるかもしれません。

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