転校生／さよならあなた

大林宣彦監督作品「転校生／さよならあなた」（市立図書館DVD）観ました。セルフリメイク作品。転校生の大筋は同じにしながら様々な変化をもたせた作品。一夫が尾道から長野に転校してくるところから始まる。ラストで尾道が少し登場する。旧作で一夫の家だったところが、明美のうどんやになって再登場。最大の差異は、二人の別れが新作は一美の不治の病による「死」となっているところ。しかし、どちらも「さよならおれ」「さよならわたし」と過去を乗り越えて新しい一歩を歩み始めるのは同じだ。旧作が小林聡美・尾美としのりという二人の名演技のよるバランスのよさに対し、新作はあまりに蓮佛美沙子の透明感ある美しさのために、他がかすんでしまう点が作品のアンバランスとなっている。さらに、何を狙ったのか、つねに画面が斜めのいわゆる不安定な構図で撮影されていて気持ちが悪い。元気いっぱいのちょっと悪ガキの一夫がピアノの名手というのもどうもいただけない。蓮佛のピアノ弾き語りはすばらしいんだけど。