読めない本

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先日佐世保の友人と飲んだとき、彼はこんなことを言いました。「ギボンは読んだんですか?」一応私の方が年上なので、ため口は使わない彼は。ギボンというのは、エドワード・ギボンのことだ。英国の歴史家である。そのギボンが書いた「ローマ帝国衰亡史」という著作があり、それを読んだのかと彼はたずねたわけだ。

以前離島の赴任地で彼と一緒の職場だったときもよく飲んだのだが、その席で「名著ながら非常に読みにくい本」としてこのギボンの著作の話が出たのだ。当時挑戦したものの、読めなかった。

ギボンの話題が出たので、久し振りに図書館で文庫版第1巻を借りて、再度挑戦してみた。やはり読めないのである。もう1ページからアカンである。自分の理解許容範囲を超えているのだろう。

「おもしろくない本を無理して読まない」これは私の方針だ。斎藤孝氏は「難解な本(例えば「粋の構造」とか)を読んで、トレーニングするのも大事」ということを言われるが、もうこの年になっていいかなとも思う。私が本が好きになったのは、好きな本を読んできたからだと思う。嫌いな本を無理矢理読まされたなら、本嫌いの本を憎む人間になったかも知れない。

振り返って書棚を観てみると、「図説 ローマ帝国衰亡史」の分厚い本があった。挫折本だ。そろそろ手放そうかな。読める人の手に渡った方が本も幸せだろう。

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