福岡の「マックスオーディオ」さんが毎年行ってくれるフェアの招待状が届いたので行ってみました。アナログ盤の優良情報をもらいました。
結論
アビーロードスタジオ ハーフスピードカッティングを知ることができて大収穫。
プレゼン
トライオード
真空管アンプの国内メーカー「トライオード」の社長さん自らのプレゼンです。
黒い筐体に大きな赤い文字。ちょっと地味なデザイン。プリとパワーの分離型。分離型の優位性の話がありました。でもCDの音もアナログの音もぱっとしません。
山下達郎「クリスマスイブ」のライブ盤のアナログが最後に流されしたが、なぜこれを選んだのか疑問に感じるほど、ライブ感が薄い音でした。
エソテリック
1月に発売になった新作のSACDプレーヤーがプレゼンのメインです。タンノイで聴くジャズもビバルディも全然冴えません。ボリウム抑えめもなぜ?の疑問符です。一緒に行った友人も「選曲ミスでは」と言っていました。
オーディオフェアの楽しみの一つが、プレゼンターが紹介する優良なソフトを知ることができること。これまでのところ食指が動くディスクが全く出てきません。勉強不足では・・・と思ってしまいます。
スフォルツアート
国内のガレージメーカー「sfz(スフォルツアート)」はお客がいないせいかすでにプレゼンでは無く、唯一のお客の私に個人的に話しかけてくる始末。これもちょっと嫌なものです。セールスされている感満載です。この会社の売りはネットワークオーディオの機器です。
amazonプライムミュージックアンリミテッドの利便性や音の良さを一生懸命アピールしてきます。ポリーニのショパン「練習曲」を聴かせてもらいましたが、アナログで聴くわが家の音に遙かに及びません。最高音が耳障りだし、左手の低音の迫力が全然ありません。
ネットワークオーディオはまだまだのレベルだと思われます。待ちましょう。
ソナスファベール
イタリアの老舗スピーカーメーカー「ソナスファベール」はその工芸性と音で注目しています。本フェアでは新作の「ルミナV アマトール」の視聴が目玉ですが、その後に登場した写真の「オリンピア」という上位機種のすばらしい音に驚きます。
小澤/ボストン響の70年代の名盤「幻想交響曲」第5楽章を聴きました。驚きの分離感、広がり、響きの美しさ。これが70年代の録音のアナログディスクから出る音なのです。CDは全然勝てなくて、今アナログの需要が上がっているのは当然のことです。
アビーロードスタジオ
最後は、英国の「EPOS」というスピーカー目当て入った「タクトシュトック」という輸入会社のプレゼン。ここが大当たりでした。
すべてアナログで再生。懐かしいABBAの「チキチータ」を聴きました。これが驚くべき鮮烈な音。音に活力が満ちていて音楽の世界に巻き込まれていかざるを得ません。
この音の正体は、もちろん機器のすばらしさは当然ながら、このアナログディスク自体に理由がありました。
アビーロードスタジオにフリーランスの立場として自分の部屋を持つマイルズ・ショーウェル氏。彼のマスタリング&カッティングによって生まれたのが視聴したディスクだったわけです。
自分の耳を信じて自由に仕事ができるようにフリーランスの立場をとっています。それを許しているアビーロードスタジオもすばらしいですね。
ABBAのディスクやジャズのディスクも視聴させてもらいましたがどちらも非常にすばらしい。これらのディスクは、マイルズの手による「ハーフスピードカッティング」の作品です。
その名のとおり、倍の時間をかけて丁寧にカッティングが行われています。ゆっくりの速さでカッティングするので、カッティングの機器への負担が減り、音質的にも有利となります。
半面製作に非常に時間がかかるデメリットがあります。これが価格に反映し、ユーザー側のデメリットにつながるようです。
プレゼンを行ってくれた方に「このディスクは今でも手に入るのか?」とたずねたところ、「ユニバーサルのサイトから探してみて」と教えてくれました。
さっそく、自宅にて検索してみましたが、現在手に入るものはほとんどありません。タワーレコードでエイミー・ワインハウスの「back to Black」が購入できました。
最後の最後で収穫ありのフェアでした。ハードの方よりソフトの重要性に気持ちが向かう最近です。よい音楽を聴くための機器ですから、よいソフトが無ければ機器も意味は無いわけです。
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