百田尚樹「日本国紀」(上)日本の通史を通して日本人のよさを再発見する

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samon
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加筆多数の文庫版で読みました。自虐史観でない日本人のすばらしさを感じます。

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結論

日本史がおもしろい。日本人のすばらしさが感じられ、とても気分がアガる。

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概略

大増量150ページ!! 著者こだわりの超大幅加筆により新しく生まれ変わった、令和完全版!

神話とともに誕生し、万世一系の天皇を中心に独自の発展を遂げてきた、私たちの国・日本。聖徳太子、平清盛、北条時宗、徳川家康ら最重要人物を“一本の線”でつなぐことで国家の変遷を浮き彫りにすると同時に、大伴部博麻、荻原重秀など、重要な脇役にも焦点を当てる。当代一のストーリーテラーによる日本通史の決定版。(古代〜江戸時代までを収録)

日本ほど素晴らしい歴史を持っている国はありません。<略>ヒストリーという言葉はストーリーと同じ語源とされています。つまり歴史とは「物語」です。本書は日本人の物語、いや私たち自身の壮大な物語なのです。(序にかえて、より)

幻冬舎サイトより引用

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感想

小学校・中学校と日本の歴史は学んできたはずなのに「おもしろい」と感じたことはあまりなかったように思います。

歴史をおもしろいと感じさせてくれたのは井沢元彦の「逆転の日本史」、特に怨霊思想のあたりでしょうか。

本書は久々に歴史がおもしろいと感じさせてくれた一冊でした。

そこには我々の祖先である日本人の強さ、やさしさ、誠実さが描かれます。

特に「元寇」はぞくぞくするほどおもしろい。そして蒙古の恐ろしさもすごい。我が県の国境の島「壱岐」と「対馬」での虐殺。「壱岐」では「捕虜とした島の女性たちの掌に空け、そこに縄を通して船べりに吊り下げ」たのです。ハマスの行う「人間の盾」と同じです。

私は「壱岐」に4年赴任していたのですが、このような悲惨な話はあまり聞いたことがありませんでした。自身が調べなかったこともありましょうが、陰惨な歴史は少し伏せ気味にされていたのかもしれません。

「元寇」は台風という偶然が日本を守ったという認識だけが私の中にあったのですが、本作を読むと日本軍の強さ、とくに九州の御家人達のがんばり、一致団結した守備がよくわかり大変エキサイティングです。

上写真は再度の襲来に備えるために作った九州の防塁です。これが力を発揮しました。外的に周到に備える当然のことを日本人は行っています。中朝露の脅威が迫る中、現在の日本人の平和ボケには改めてあきれます。

一昨年バス旅行で佐賀県にある「名護屋城跡」と博物館に行きました。秀吉が残した「金の茶室」など興味深く見ました。城跡の周辺には誰もが名を知る戦国武将達の陣跡地がありました。

徳川家康・前田利家・黒田長政・伊達政宗・加藤清正などなど、そうそうたる名将達がこの佐賀県に集結していたのです。何のためか、それは朝鮮出兵のためでした。秀吉の構想には大明帝国の征服があったのです。

参考:諸大名の陣跡

「白村江の戦い」から約900年ぶりの海外派兵、「蒙古襲来」以来約300年ぶりの対外戦争。ここでも日本は果敢に戦い、優勢であったことが書かれています。

これまでこの出兵は秀吉の妄想的「無理ゲー」だったという私のイメージでしたが、そうでもなかったという記述に驚きます。

また、秀吉の病死で撤退をする際の撤退戦についての韓国の歴史記述が事実でないことが記されます。

日本の歴史教科書に、フィクションである韓国の亀甲船が掲載されたり、朝鮮出兵戦が日本の苦戦であったと記述されている不思議が指摘されます。韓国や中国の圧力が日本の教科書に影響を与えている感があるわけです。

事実は実際に経験した者しか分からず、後世に歴史を学ぶ難しさを感じます。

実際本書への批判も多く提起されています。それは歴史を綴ったものが、多かれ少なかれ著者の歴史観でしかないためでしょう。本書も百田尚樹の歴史観であり、それが全て事実かどうかはわからない。どの歴史書でも同じでしょう。私は、そのことを頭において歴史は学ぶべきだと思うようになりました。

samon
samon

とにかくすらすら読める。知らなかったことが満載の歴史を楽しめつつ、日本人のすばらしさを感じられる好著だと思います。明治維新からの下巻も注文済み。楽しみです。

コメント

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