「蛍狩りから 帰った君は 足も洗わず 籐いすに」(井上陽水「水無月の夜」)。大変日本的で美しい歌詞である。今日は近くの川まで蛍狩りに行ってきた。明日くらいまではピークだと言うことで出かけた。駐車場の近くの森の入り口あたりですでに緑色のほのかな光は明滅しており、上流へと遡っていくにつれ、増えてくる。駐車場は満車に近い様子なのに、誰も人がいないなあと思いながら歩いていると、けたたましい女性の笑い声が聞こえてきて、突然の多くの人々に出くわす。出くわすと言っても、暗いのでほとんど見えないが、そのざわつきでわかるのである。特におばさんたちらしい大きな声でのしゃべり声には、雰囲気台無しで閉口する。もうそれ以上先へ行く気持ちはなくなって、駐車場へと戻ることに。そんな人間たちの傍若無人ぶりを知ってか知らずか、蛍たちは短い生燃やすように瞬き続けていた。「灯りを消せば 蛍も見える 夜具と浴衣のすれ音 水無月の夜 蛍火のなか」
」
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