橘玲著「上級国民/下級国民」を読了しました。あまり聴きたくないfact(事実)を開けっぴろげに書く著者のやっぱりいやな内容の本。しかし、眼を背けてはならない側面があるのも事実。中でも、印象に残ったのは、アメリカのお母さんの言葉「うちの子の学校では、57人もの子が妊娠している。どうして、子どもがこんなに子どもを産むのかしら。私が子どもの頃も、そりゃあ少しはあったけど、多くとも4人だったわ」そして日本のある家族の事実。母親がシングルマザーで、その子もその妹もシングルマザー。家族の3人もがシングルマザー。橘は言う。これはリベラルの行き着く結果。リベラル即ち、「何をするのも本人の自由。でもそれは全て自己責任」そんな世界が全世界で広がっている。日本も、私が子どもの頃は娘に関する家族の中でも父親の規制は強かった。子どもが性交渉などとんでもない。門眼があり、娘の恋愛関係に強い規制があった。もっと以前は、娘の結婚相手は親が決めるのが普通だったのだ。そんな世界は過去に去った。自由である。何をしても。でも、その責任は自分で負え、知らないよ。それがリベラル(自由)の世界だ。シングルマザーの生活が厳しいのは自明の理である。親はそれを自己責任でしょ、で投げ出していいのかなあ。かといって親がどんなにうるさく言っても聴かないのも事実かもしれない。教育は無力かも知れない。そんな世界が現れている。それを教えてくれる嫌な本である。
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