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ママさん柔道家の銅メダルを悔しがる涙や10分近い死闘を制し、最後に技を決めて武道館の天井を見つめる大野選手を見ていると、なんのかんの言っても感動してしまう。日本の武道「柔道」やわらの達人が、藤沢周平描く立花登である。刀や匕首で向かってくる敵を柔の技で投げ飛ばしていく。胸のすく立ち回りが小説の中で躍動する。同じ藤沢の作品でも、現在読んでいる「用心棒日月抄」の主人公又八郎は違う。彼は訳あって藩から出奔した武士だ。しかもめっぽう腕の立つ。又八郎の戦いは刀が使われる。腕や足が飛んだり、「肩の骨を断った感触がある」という表現も出てくる。そこには血のにおいがあり、死がある。立花登は医師である。死から救う仕事だ。剣と剣の立ち回りでなく、「柔」をアクションに取り入れたことが効いている。物語はさわやかさや軽妙さが香ってくる。NHKのドラマで題名に「青春」を加えて「立花登青春手控」といたのが理解できる。今日の柔道の試合を見ながら思ったことだ。

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