時代小説の愉悦

Drama
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現在時代小説を3本並行して読んでいます。宮部みゆきの「桜ほうさら(下)」、高田郁「みおつくし料理帖第3巻 想い雲」そして藤沢周平「風雪の檻 獄医立花登手控え三」である。どれも強烈におもしろいのだ。少し暗い文体だが、探偵小説を読むかの如き宮部、対して明るく軽くつい笑みがこぼれてしまう高田、格調があるのにするする読めてしまう藤沢。作家それぞれの個性を楽しみながら読んでいる。止まらない。子どもの頃、「水戸黄門」を楽しみにしている祖母や両親を、「何がおもしろいんだろう?」と思っていた。小説に限らず時代ドラマなども、おもしろく観てしまう60にならんとする自分がいる。時代物を加齢には何かしらの関係があるとしか思えない。だって、祖母だって江戸時代の人ではないのだもの。両親は昭和生まれだもの。時代小説や時代ドラマ、時代映画がなくなってしまわないのは、日本人が年を重ねるとなぜかそれがとてつもなくおもしろくなっていくからではないだろうか。

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