町山智宏著「町山智宏のシネマトーク 怖い映画」を読んでいます。第1章ジョージ・A・ロメロ監督作品「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」を読了。ロメロのゾンビシリーズ第1弾は、当時のアメリカの現状を映したものであるという主張。軽快な語り口ながら、そこに取り上げられる数々の映画作品との関連の説明は説得力に満ちており、何となく見ていた登場人物たちの意味が明確になってくる。そこには古くて新しいアメリカの黒人問題が横たわり、公開当時のベトナム戦争の泥沼が示されていく。ロメロが描き続けたゾンビシリーズが、その時代時代の社会を映す鏡であることを知るとき、この映画作家の制作の目的が見えてくるのだ。それは観るものに思考を促す。今の世の中はこうですよ、どう思いますか?と。残りの8章楽しませてもらおう。
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