微妙なでき?

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山田洋次監督作品「男はつらいよ 寅次郎心の旅路」を観ました(テレ東)。第41作。マドンナは竹下景子。竹下は第38作「知床慕情」にも別の女性として出演していた。割に短い間隔での起用である。今回は日本を飛び出し、ウィーンで観光ガイドをする女性を演じ、寅はひょんな事から自殺未遂サラリーマンの柄本明とウィーンに旅行する中で、竹下と出会う。竹下は、日本で一流の会社につとめており、そこで恋に落ちた男性と結婚を決めるが、会社側の退職要求に加えて、婚約者からも「会社を辞めてくれ」との要請に、何もかも捨ててウィーンきたという、「強い」「自分で決める」女の役柄である。しかしラストでは「寅さんの言うとおりにするわ」と帰国を決意する。ところが空港に駆けつけた恋人の引き留めに「あなたの言うとおりにするわ」とこれまた男に人生をゆだねる台詞を言う。これは何を描きたかったのか?先んじて、ウィーンの日本女性(淡路恵子 あら、この人も知床慕情に出てた)からは、「自分の都合のいいときだけ呼び出して」と竹下を自分勝手な女ともされているのだ。よって観るものはこのマドンナにそれほど心を動かされないかも知れない。いや、現代的女性としてリアルだったのだろうか。柄本明にもそれほど感情移入できず、この作品は微妙なできと感じてしまう。ウィーンの風景が多いせいか、ラストの日本の小さな祭の御輿を遠景に、寅のテキヤ口上の風景は懐かしく安心できる。「日本っていいなあ」で「終」が出る。

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