小川典子のドビュッシー NHK-BS「クラシック倶楽部」での無観客収録 コロナ禍中の2022年2月 「前奏曲集第2巻」の精緻な演奏に感嘆

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samon
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早朝のお気に入り番組NHK-BS「クラシック倶楽部」。毎日録画して楽しんでいました。ところが、BDレコーダーのBSチューナ部が故障。受信不能に。そこだけ修理できないかな。しかし、もうかなり古い機種であり、例の「もう部品がありません」対応だろうか?

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結論

「前奏曲第2巻」音楽の神が憑依したかのような演奏と姿。コロナ禍がもたらした不幸中の幸い。得がたい放送となりました。

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小川典子

東京音楽大学付属高等学校(1977年 – 1980年)、ジュリアード音楽院(1981年 – 1985年)卒業後、ベンジャミン・カプランに師事した[2]ニューヨークでは1982年にデビューしており、ロンドンでのデビューは1988年となる[2]。1997年からは、スウェーデンのクラシック音楽レーベルであるBISレコードの専属レコーディングアーティストとなっている[3]。2001年よりイギリス人ピアニストの キャスリン・ストットとピアノ・デュオを組み共演[4] 、BISレコードにてフレデリック・ディーリアス作品のレコーディングを行なった。2003年、2人はグラハム・フィトキンの「サーキット」を初演[5]。またクラリネット奏者のマイケル・コリンズとも長く共演を行なう。

wikiより引用

1962年1月生まれですから、私と同学年ですね。BISレーベルはとても録音がよい印象があります。

武満徹とは関係が深く、2008年9月にはBBCワールドワイド(英国)のクラシック音楽番組「ビジョナリー」に出演し、武満の音楽を紹介した[6]。2011年にはクロード・ドビュッシー全曲集のレコーディングを完成させると共に、 モーツァルトの新盤をBISレコードで制作した。ドビュッシーの複数のディスクは武満の録音と同様、「グラモフォン」誌の編集者による特選盤に選出された[7]

同上

ドビュッシー演奏に関しては折り紙付きです。

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前奏曲第2巻

バッハの『平均律クラヴィーア曲集』やショパンの『24の前奏曲』などと同様に、24曲からなる前奏曲集である。ただし、これらとは異なり24の調に1曲ずつを割り振ったものではない。

ピアノのための小品集ながらも、作曲語法のさまざまな試みや音楽的な美しさにおいて、ドビュッシーの後期における重要作品の位置を占めている。

1911年末から1913年初めにかけて作曲された。第11曲目「交代する三度」が作曲されたのは、ドビュッシーの音楽的革新に影響を与えたストラヴィンスキーの音楽との出会いの時期であった。第1巻とは対照的に独創的な音楽的想像力と語法の革新性に満ちた内容であり、幻想的な雰囲気が溢れる作品となっている。また、全12曲共に3段譜が駆使されているのも特徴的である。初演は、出版に先立ち1913年3月5日にドビュッシー自身により最初の3曲が初演された。

wikより引用

感想

コロナ禍での無観客のかつしかモーツアルトホールでの録画録音です。プログラムは入りやすい「月の光」で始まり、「水の反映」そして小川がどうしてもプログラムに加えたかった「前奏曲第2巻」と続きます。

「月の光」淡々とした演奏ですが、1音1音が精緻で美しく、その積み重ねはいわゆる人間のロマンス的な情を除いた演奏。自然であり、けがれないものに感じました。これもまたよしです。

小川が子どもの頃に聴いたアンドレ・ワッツの「水の反映」の美しさ。ドイツ物を学習させられていた少女の小川は、この美しい曲を聴いてどうしても弾いてみたくて隠れて弾いたというエピソードを話してくれました。

アンドレ・ワッツはこの収録の時点(2022年)では存命でしたが、今年(2023年)7月に77歳で亡くなりました。ハンガリー人の母とアフリカンアメリカンの父をもつ、黒人のクラシックピアニスト。今も黒人のクラシックピアニストは少ないと思います。希有の存在でした。リストを得意とする精緻な演奏が特徴です。「ラ・カンパネラ」の有名なレコードを私も持ってます。

ワッツの精緻な「水の反映」が小川の演奏の根っこにある話は興味深いですね。そして、小川の「水の反映」もまさに精緻きわまりない演奏でした。

今回どうしてもプログラムに加えたかった「前奏曲第2巻」。小川はその理由を、この曲が「弱音」が多く地味でありなかなかコンサートで取り上げられない点をあげます。さらに、各曲が標題をもちながらも単なる写実でなく、抽象的な点もあると話していました。

逆に言えばこの2点は小川が「前奏曲第2巻」で気に入っている点でもあるのでしょう。演奏は変な言い方ですが、音楽の神が彼女の体に憑依して演奏しているような没入演奏でした。思わず引きこまれ演奏の前から動けなくなる感覚。

番組ではさまれる小川のインタビューの姿と演奏の姿のギャップに驚くばかりでした。それほど神がかった演奏に感じました。

samon
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「クラシック倶楽部」は何度も再放送するので、もし放映されたらぜひ聴いてみて欲しいと思います。画像付きの演奏の力を再確認しましたね。コロナ禍のもたらしたちょっとした福音。

コメント

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