ウイーン・ニコライ弦楽四重奏団演奏会を聴きました(NHK-BS クラシック倶楽部)。ウイーンフィルメンバーによるカルテット。第1バイオリン:ヘーデンボルク・和樹・ヴィルフリート、第2バイオリン:ベンジャミン・モリソン、ビオラ:ゲルハルト・マルシュナー、チェロ:ヘーデンボルク・直樹・ベルンハルトのメンバーだ。名前から分かるように、へーデルボルグ家の二人は兄弟で、しかも日本人とのハーフ。インタビューでは、日本語ぺらぺらで話していた。演奏はモーツアルトとベートーベン。ベートーベンは「ラズモフスキー」の3番だ。彼らの演奏というのが、実に落ち着いた音色とアンサンブルで聴いていると、ほーっと心がゆったりなって、ずっと聴いていたいという感じに誘われる。安息の音なのである。チェロの音は輪郭がはっきりしていて、憧れの音だ。テンポ設定も遅からず速からずの絶妙さ。ベートーベンの終楽章のフーガはもっと速い演奏が多いと思うが、実に気持ちのよいスピードなのだ。音がどこまでも美しく磨き上げられ、雑味がない。こんな演奏もいいじゃないか。安息のカルテット。
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